アイルランド見聞録26(ベンブルベンの麓)
北アイルランドのドラムスキニーのストーンサークルを見た後、雨が降ってきたこともあり、この日の宿泊先であるスライゴーへと急ぎます。再びアイルランドに入って、脇目もふらずにひたすら南下。イエイツの心の故郷とされるスライゴ―に到着しました。ここには二連泊します。その宿屋から見た風景。遠くにベンブルベンというスライゴーを代表する山が見えます。雨が止んでちょっと日が差してきたので、撮影します。標高は526メートル。イェーツは子供時代によくここで過ごし、「Under Ben Bulben(ベンブルベンの麓)」という詩も書いています。Under bare Ben Bulben's head In Drumcliff churchyard Yeats is laid. An ancestor was rector there Long years ago, a church stands near, By the road an ancient cross. No marble, no conventional phrase; On limestone quarried near the spot By his command these words are cut: Cast a cold eye On life, on death. Horseman, pass by!岩肌がむき出しのベン・ブルベンの崖の下、ドラムクリフの教会墓地にイエイツは眠る。先祖はその教区の牧師であった。今となっては遠い昔の話。近くには教会があり、道端には古い十字架が立っている。大理石でもなければ、常套句も刻まれていない、近くで切り出された石灰岩の墓碑に故人の意思により次の言葉が刻まれている冷ややかな目を向けよ、生と、死に。馬に乗る者よ、通り過ぎよ!で、実際にベンブルベンの麓にはイエイツが眠る墓がドラムクリフ村の教会の墓地にあることは、五年前のブログでも紹介しましたね。これがその時の写真です。詩に書かれていた通り、最後の三行(Cast a cold eye On life, on death. Horseman, pass by!)が刻まれていますね。一種の遺言詩のようなものです。日の光が幾筋も降りてきました。(続く)