5000年前の驚異の測量技術(その49:ピラミッドの一覧表)
ピラミッドや山などの測量点と測量点の距離や角度を調べるには、次の作業が必要です。(1)グーグルアースなどを使って、測量点の座標を調べる。(2)測量点と測量点の距離と方位角を国土地理院のソフト使って調べる。(3)それらを一覧表にする。そこまでの作業をやった結果がこちらです。上の一覧表は、スフィンクスの中心と古代エジプトのピラミッド34基との関係を表わしたものです。左側に各ピラミッドまでの方位角が記してあり、真ん中の数字は各ピラミッドまでの距離です。距離は単位はメートルでミリの単位まで出してあります。そして右側にあるのが34基のピラミッドの名前と座標が記されています。この表によって何がわかるかと言うと、たとえばスフィンクスからネフェルイルカラー王のピラミッドまでの距離が10.882キロで、スフィンクスからニウセルラー王のピラミッドまでの距離が10.887キロと、ほぼ等距離にあることがわかります。つまり、わずか5メートルしか違いませんね。また、方位角に関しては、スフィンクスとペピ2世のピラミッドを結んだ方位角が153度51分で、スフィンクスとセンウセレト3世のピラミッドを結んだ直線の方位角が153度48分とわずか3分(0・05度)しか違わないことがわかります。0・05度というのはもはや誤差の範囲内ですから、この3点は一直線上にあることがわかるわけですね。こうした作業を進めることにより、紹介を省いた34基目の主要ピラミッドに相当するアハメス1世のピラミッドが、スフィンクスとアメンエムハト1世のピラミッドを結んだ直線上にあることもわかります。この作業を34基すべてのピラミッドでそれぞれ実施するなどして、一覧表にまとめれば、どこにどのような測量点があり、エジプト中の遺跡がどのような配置になっているかが、手に取るようにわかるわけです。(続く)