加夜奈留美命神社
亀石の後、向かったのは、明日香の山の中です。山道を登っていく途中、畝傍山と二上山がよく見える場所に来たので撮影します。右が畝傍山。左奥に見えるのが二上山ですね。山道を車で進むこと15分。ようやく目的地に着きました。明日香村柏森(かやもり)にある加夜奈留美命(かやなるみのみこと)神社です。元々は葛神社と呼ばれていましたが、地名の柏森(かやもり)から、カヤナルミを主祭神とする神社になりました。単なる語呂合わせのようですが、こうしたシンクロニシティには意味があります。飛鳥坐神社と同様、「出雲国造神賀詞」に根拠があります。オオナムヂが国土を天孫に譲って出雲の杵築へ去るに当たって、自らの和魂と子女の御魂を大和に留めて皇室の守護とすることを誓いますが、その中に「加夜奈留美命の御魂を飛鳥の神南備に坐わせ」と記されていることから、この山に違いないと考えてカヤナルミを祀っているわけです。ここにもうっすらとですが、加夜奈留美命神社と彫られているようです。神社本殿。加夜奈留美命はオオナムヂとヤシマヂヌミの娘の子なのですが、謎の神でもあります。別名が鳥鳴海神で、男神なのか女神なのかよくわからないんですね。私は女神説で、しかも「加夜」から「カグヨヒメ(香用姫)」、「タカテルヒメ(高照姫)」説を採っています。別名が天道日女。オオトシ(天火明)と結婚してアメノカグヤマを生んだ女神ですね。アマテラス、スサノオ、オオナムヂの直系ということになります。その女神とオオトシことニギハヤヒが結婚して生まれたアメノカゴヤマは、超優良ハイブリッドです。その超優良ハイブリッドと、ナガスネヒコ一族のミカシキヤヒメとオオトシの間に儲けた異母妹ウマシホヤヒメが結婚して生まれた孫がヨソタラシヒメ。孝昭天皇妃となりました。当時、いかに多部族間・多民族間の結婚が重視されたかがよくわかりますね。それが統一王朝を作るための唯一の手段だったからです。(続く)