イギリス取材旅行3(「ヒアの石」――汝らの過去への入り口)
ブレコン・ビーコンズ国立公園内にある巨石遺構の中でも人気があるのが、「MAEN LLIA(マイン・ヒィア、ヒアの石)です。地図を頼りに、渓谷の山道を登って行きます。すると、高原のような場所に出ます。来た道を振り返ると・・・・この渓谷を車で登ってきたわけです。そしてしばらく車を走らせると、左側に目指す巨石遺構が見えてきました。これが「ヒアの石」です。ウェールズ語ではLLと書いて、「ch」とか「h」のように読ませます。ですから「LLIA」は「HIA」のように発音するんですね。英語とは全く異質の言語なので、一筋縄にはいきません。マイン(MAEN)は石のことです。で、この「ヒアの石」は、4000年前の青銅器時代に造られた立石ではないかとみられています。高さ3・7メートル、横幅は2・8メートルあり、かなり遠くからでもよく見えます。ですから、道標、境界、儀式などの役割を果たしたのではないかと考えられています。看板には「我はお前たちの過去への入り口である・・・(I am the doorway to your past...)」と書かれていました。反対側からも撮影しましょう。左奥に見える青い車が、私の借りたレンタカーです。「ヒアの石」は、美しい自然に溶け込んだ、非常に芸術性の高い立石のように思われました。(続く)