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テーマ:不思議な世界(701)
カテゴリ:不思議な世界
知られざる人類の歴史9
出雲族の進軍に恐れをなした日向族のイザナギとイザナミは、前言を撤回。娘のアマテラスと出雲族のスサノオを政略的に結婚させることで和議を図った。これが記紀に記されている「誓約(うけい)」の真相である。この婚姻により2部族間の結びつきが強まり、協力して日本を治めるという当初の約束が果たされたかに思えた。 ところが、この政略結婚を快く思っていなかったグループがいたと、アリオンは言う。そのグループは日向族の「アマテラスの義弟たち」で、古代の呪術を巧みに操る有能な呪師たちであったらしい。彼らは密かに、日本列島に大掛かりな呪縛を施す。出雲族の聖地とされる土地や日本の重要なエネルギースポットを次々と封印。日向族と出雲族の関係を修復できないような呪いをかけたらしい。 この呪縛により、日本はその後、歴史の節目節目に「二分された勢力による対立構造」が生じるようになってしまったと、北川らは分析する。たとえば、飛鳥時代の蘇我一族と物部一族の抗争、平安後期の源平合戦、南北朝時代の南朝と北朝の対立、明治維新当時の勤皇攘夷派と佐幕派の争いなどだ。 ほどなく日向族と出雲族の抗争が再燃すると、アマテラスの義弟たちの呪縛が功を奏したのか、日向族は次第に出雲族の勢力圏を侵食しはじめる。劣勢となった出雲族は山間部に追いやられ、国譲りの神話に語られているように、出雲族は諏訪など東方へと背走せざるをえなくなった。 さらにアリオンによると、日向族は出雲族の力を弱めるために、渡来系の力も利用したという。北川らの解釈では、とくに渡来系民族による支配を強めたのは桓武天皇で、この時代に東北に派遣され、多くの蝦夷を打ち滅ぼしたとされる坂上田村麻呂が実際に征討したのは、出雲系アマ族の子孫であったという。 このように日本では、渡来系民族とアマテラスの義弟たちの封印により、日本固有の民族的エネルギーを徐々に失っていったと、北川らはみている。「仏教の影響を受けた日本の民は、しだいに『カムナガラノミチ(神慮のままに人為を加えぬ日本固有の道)』である神道から外れていくことになった」という。 日向族はまた、自分たちに都合のいいように歴史を改竄した、と北川らは言う。日向族出身のイザナギとイザナミが日本の国土を生んだ神として神社で祀られているのも、ねじ曲げられた歴史の結果だという。北川らによると、日向族出身の神武が日本の最初の天皇のように日本書紀や古事記に記されているが、真の初代天皇はニギハヤヒであり、意図的に記紀から名前を削られているという。ちなみに日向族によって封印されたニギハヤヒは、大和の三輪山に葬られているそうだ。 この歴史の改竄について、アリオンは1996年初頭に次のように語った。 「最近、世の中が険しく厳しく、更に賑やかになっていると感じている人も 多いと思うが、これは今まで隠れていたものが表にはっきりと目に見える形に なって出てきたというだけのことだから、そうそう心配は要らない。 今まで見えなかったのは何故か? こちらの方が重要なことだとも言える。 日本という国の成り立ち、歴史、その他色々なことがその時々の為政者によって、 隠され改竄されてきたが、もうこの国の魂はそれを許せなくなっている」 (続く)=文中敬称略 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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