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テーマ:不思議な世界(701)
カテゴリ:不思議な世界
超能力者列伝(堤祐司3)
一回目のマップ・ダウジングの成功で味をしめたからか、1990年4月にも、『たけしの頭の良くなるテレビ』のディレクターから「落語家の林家ペーさんがある場所に隠れているのですが、(ダウジングで)探してみませんか?」との電話がかかってきた。今回は、日本のどこに隠れているかわからない林家ペーを、マップ・ダウジングで探し出してみろ、というわけだ。東京都23区内どころの話ではない。探さなければならない面積は、一気に数十倍に増えた。 朝10時前に東京・赤坂のテレビ局に着いた堤祐司をディレクターが出迎えると、そこからビデオカメラが回りはじめた。ディレクターは説明する。「今日の朝7時30分に、東京から電車に乗って、今、ペーさんはあるところに隠れています」 堤に与えられたのは、その情報と林家ペーの写真とピンクの靴だけ。ただ、半日で電車に乗って行くことができる場所は、ある程度限られてくる。堤はテレビ局のスタジオ内で、東京から半径500キロの日本地図を広げ、ダウジングを始めた。 地図にプラスチック製の定規を当て、それを移動させながら、右手で振り子を持ち、反応を見る。イエスの反応があると、そこで定規を止め、直線を引くのだ。これを地図の四方八方から、20回ほど繰り返す。すると、そのうち10数本が、静岡地方で交わり、あと5本は新潟で交わった。 堤は最初、より多くの線が交わった静岡地方にペーが隠れているのではないかと思った。しかし、これが大間違いであったことが後でわかる。堤は東京から電車に乗ったという情報から、スタジオに入ったときから直感で西の方角だというように思い込んでしまったという。それが微妙に、振り子を持つ指に影響した。 「つまり、ダウジングで得た情報は鵜呑みにしてはいけないのです」と堤は言う。さまざまな条件がダウザーの心に影響を与える。優秀なダウザーは思い込みなど誤った情報(ノイズ)と正しい情報をすべてより分け、振り子にすべてを任せるのだという。 堤は思い込みをしたまま、ディレクターに静岡県の地図を持ってきてもらった。堤は再び、定規と振り子を手に持ち、ダウジングを再開した。ところが今度は、直線が3本以上集まる交点が出てこない。でたらめな直線ばかりが地図上に増え続ける。最後には、振り子は楕円形を描いたり、直線運動をしたりを始めた。堤は経験から、振り子がそのような反応を示すのは「警告」の意味があるということを知っていた。 「しまった! 間違っていたぞ」 堤はようやく、自分の思い込みに気がついた。 (続く)=文中敬称略 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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