4828998 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

天の王朝

天の王朝

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

白山菊理姫

白山菊理姫

フリーページ

サイド自由欄

設定されていません。
2015.03.11
XML
カテゴリ:歴史箱
記紀の「国譲り神話」ではスセリビメがどうなったのかまったく抜け落ちていることに加えて、もう一つ省かれている人物がいます。それがアヂスキタカヒコネです。スサノオとアマテラスの間に生まれた宗像三女神の長女タキリヒメとオオナムヂとの間の長男ですね。

ところがオオナムヂは、国譲りの際にはアヂスキタカヒコネの名も、ヤガミヒメとの子キマタノカミの名も挙げませんでした。
これはどうしてか。もうこのブログの読者の方ならお分かりになりますよね。彼らは正統な出雲の王位継承者候補ではなかったからです。アヂスキタカヒコネはスサノオとアマテラスの孫ですが、長子の子ですから、末子相続である出雲王の正統な後継者にはなりえません。キマタノカミをはじめとする他の王子は正妻の子ではないので、除外されたわけです。

『古事記』の編纂者は当然、このことを熟知していたはずです。ということは、オオナムヂが名前を挙げたコトシロヌシと、次のタケミナカタは正統な出雲国の王位後継者だったことは間違いのないところでしょう。

既に説明したように、コトシロヌシは宗像三女神の末っ子の子供の可能性が強いですから、十分に王位継承候補であったことがうかがえますね。しかし、タケミナカタはどうでしょうか。『古事記』ではオオナムヂの子であるとされていますが、母親が誰なのかは記されていません。『日本書紀』に至っては、タケミナカタという名前すら出てきません。

しかし一般的には、タケミナカタはオオナムヂと越国のヌナカワヒメとの間に生まれた子ということになっています。これは民間伝承によるものです。おそらくタケミナカタが諏訪大社に祀られている関係で、地政学的に母親は越国(越国と言っても越後の糸魚川付近)のヌナカワヒメではないかとされたのではないかと思われます。

だけど正妻ではないヌナカワヒメの子では、正統な出雲国の王位後継者とは言えませんね。出雲と越後も地理的に離れています。オオナムヂはタケミナカタが出雲国の正統な王位継承者候補だと言っているわけですから、少なくともスセリビメか、タキツヒメの子でなければ、オオナムヂが「国譲り」をしていいかどうか聞いてくれと答えるはずがありません。

最初、ミナカタが「宗像」の読みに似ていることから、タキツヒメの子ではないかとも思いました。しかし、コトシロヌシがタキツヒメの子とみられますから、同じ母親を持つ王子が二人も正統な王位継承者候補になるのは無理があります。

となると、消去法でタケミナカタはオオナムヂとスセリビメの子であったのではないかという可能性が浮上してくるんですね。そもそも母親が誰なのか『古事記』に記されていないところが怪しいです。記紀編纂者にとって、どうしても母親の名前を明かせない理由があった。それはスサノオの末子で正統な王位継承権を持つスセリビメとその後継者を歴史から隠す(消し去る)ことであったのだと私は思っています。
(続く)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015.03.11 12:13:26
コメント(2) | コメントを書く
[歴史箱] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


Re:記紀に隠されたスセリビメの王子(03/11)   トーカ さん
スセリヒメのことを知りたくて、検索していたらこちらに辿り付きました。
スセリヒメは、出雲の末子で正統な王位継承者で、オオクニヌシの正妻であるのにもかかわらず、子供を産んだ形跡はなく、日本全国の神社では、オオクニヌシはタギリヒメと共に祀られることが多い……そんな不遇な姫神に、胸が痛む想いを抱いていました。
でも、こちらで始めて、スセリヒメには子供がいた、いくつか別名を持つ、という記事に辿り着いて、どうか本当であって欲しいと嬉しく思いました。
そして、セオリツヒメという謎の姫神と同一ではないか、という記事にも驚きました。私にとって、スセリヒメもセオリツヒメも、何故か気になる姫神だったからです。
でも、このブログ内で検索しても、セオリツヒメや伊勢のムカツヒメに関する記事には、どうしても辿り着けないのです。
消去されてしまったのでしょうか? (2019.10.29 13:19:26)

Re[1]:記紀に隠されたスセリビメの王子(03/11)   白山菊理姫 さん
トーカさんへ

4年以上前の記事なので、少し修正が必要ですね。
おそらく宗像三女神の三女タキツヒメは、スサノオの末子スセリビメの別名です。
事代主(クシヒコ)もタテミナカタもスセリビメの子となります。
ですから、ミナカタは宗像から来ている可能性が高いです。
スセリビメの名前は、カムヤタテヒメとかタキツヒメに置き換えられて隠されたわけです。

イザナミとハクサンキクリヒメが同神である可能性が強いように、瀬織津姫がスセリビメの可能性も十分にあると思っています。

ほかにもアヂスキタカヒコネはタケツノミの別名で、八咫烏のことです。

大年はニギハヤヒの別名で、大物主でもあります。天火明とも言いますね。

ちょっと忙しいので、これ以上のご質問にはお答えできませんのであしからず。 (2019.10.29 15:42:01)

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

simo@ Re:新刊『UFOと交信すればすべてが覚醒する』の解説(03/21) こんにちは。初めまして。 昨年妻が海で撮…
たぬき@ Re:ニニギの兄に祭り上げられたホアカリの正体(03/12) ホアカリ。 徐福が秦の始皇帝の使節を隠れ…
たぬき@ Re:サノノミコト(神武天皇)になぜ神が付いたのか(07/29) ジンム。と読まずに 大和言葉風味、古代語…
正木 ベータ@ Re:不思議な世界(その94)(05/13) こんにちは。初めてコメント致します。 不…

お気に入りブログ

広島訪問 Grulla Me… New! convientoさん

竹内睦泰の超速!日… New! 第七十三世武内宿禰さん

氣のワーク研究所 朝日6844さん
窓辺でお茶を heliotrope8543さん
ひめのゆめ活動日記 ひめのゆめさん

カレンダー

バックナンバー


© Rakuten Group, Inc.