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テーマ:歴史なんでも(780)
カテゴリ:歴史箱
『古事記』は非常にシンボリックな話に満ちています。
今日は「因幡の素兔(白ウサギ)」の話をしましょう。 隠岐の島(あるいは沖の島)から因幡国(鳥取県)に渡りたいと思ったウサギが、ワニをだましてワニの背を踏み台にして渡ろうとしました。もう少しで上陸するところで、ウサギが騙したことをワニに告げると、怒ったワニにウサギは皮を剥ぎ取られてしまいます。 怪我をしたウサギは八十神にも騙されていじめられます。 苦しんでいるウサギをオオナムジこと大国主が助けたら、因幡のヤガミヒメを娶ることができたというのが物語のプロットです。 『帝皇日嗣』の口伝継承者竹内氏によると、手籠めにされた巫女をオオナムジが助けた話であるといいます。 それはそれで興味深いのですが、それよりも私が面白く思ったのは、『誰も知らない世界の御親国日本』や『竹内文書の謎を解く2ー古代日本の王たちの秘密』でも書いたと思いますが、日本を海外から見ている視点がこの神話に盛り込まれていることです。 助けられた白うさぎは、因幡のヤガミヒメを娶ることになるのは、八十神ではなくオオナムジであると予言していますから、確かに神の神託を受ける巫女であったことはまちがいないでしょう。 ワニはおそらくサメと同じで、鳥が飛ぶように速い鳥船に次いで早い、サメが泳ぐような速度のサメ船(ワニ船)のことであると思われます。 一番遅い船は当然、カメ(亀)船ですね。浦島太郎が乗っていた釣船です。 海神とされるオオワタツミの王女たちが乗っていたのは、ワニ船でした。 すると一つの推理として、日本を訪れたいと強く願って、ワニ船に乗って海を渡ってきた巫女がおり、それをオオナムジが助けたという筋書きが現れます。 普通、海幸彦山幸彦の話にしても浦島太郎の話にしても、あくまでも日本から海に彼方に旅立ち琉球や竜宮城に行って戻ってくるという話です。 ところが、白うさぎが持つ海の向こうから日本を見た視点は異彩を放っています。 これは、月の世界から来たかぐや姫の視点に非常によく似ています。 『古事記』の作者は、海の向こうから見た日本という視点を持っていたということが重要なのです。 そこで私は、ほかにもこの海の彼方から見た日本という視点がないかどうか、探してみました。 そして見つけたのが、右目の天照、左目のツクヨミ、鼻のスサノオであったわけです。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.08.16 17:01:30
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