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カテゴリ:絵本の読み聞かせ
クラリネットの音色で大きくなるネコのお話。
読み聞かせでは、ネコがいったいどこまで大きくなっちゃうんだ?と子供たちもわくわく。自分より大きいぬいぐるみとか、あるいは大トトロのような、子供に嬉しいでっかさです。 そんな巨大なふわふわのネコの背に乗って、主人公はクラリネットを吹きながら旅に出ます。シンプルな線と淡い色で描かれた絵は、どのページもひょうひょうとして、のびやかで、自由。 知らない町の広場で演奏して、稼いだお金でパンとミルクとトマトを買ったり、空飛ぶ巨大ネコの背中に聴衆を集めて、コンサートを開いたり。まるで中世の旅回りの吟遊詩人みたい。 そういえば、「プリデイン物語」の『タランとリールの城』に出てくる巨大な山猫リーアンも、吟遊詩人フルダー・フラムの竪琴の音色が大好きで、彼の後をついていきましたっけ。 私はネコを飼ったことがありませんが、ネコって意外に音楽好きなんでしょうか。 物語はネコがクラリネットふきの家にやってくるところから始まり、ふたりが旅に出た様子をえがいて終わります。冒険とか起承転結とかの好きな私などは、ああ、ここからふたりの遍歴と冒険が始まるんだな、と思ってしまいます。つまり、このお話は“序曲”でしかなく、まだまだきっと続くんです。いろんな場所を訪れて、いろんな人に出会って、いろんなエピソードが生まれて・・・、想像力がふくらみます。 でも、作者はそこを語りません。 よのなかで いちばんすてきなのは ネコといっしょに くらすことです ――岡田淳『ネコとクラリネットふき』 とだけ言って、ふわふわ巨大ネコの上で大の字になっているクラリネットふきの満ち足りた姿を描いて、終わります。 ただし、あとがきを見てみると、ネコがどこまで大きくなるのか少し不安だ、とちょこっと書いてあったりします。 私は吹奏楽やクラシックにはあまり詳しくないのですが、この絵本を読むとガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」のイントロ部分のクラリネット・ソロが聞こえてくる気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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