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日本ではとっても珍しいヨーロッパのタペストリーの展示! ということで、「貴婦人と一角獣展」、大興奮で見て参りました。
西洋中世風の小説やファンタジーによく登場するタペストリー、お城の広間の石造りの壁を覆っていたり、間仕切りになっていたりします。でも、日本には(木造文化ですし)似たものはあまりないのでは。(私が唯一、思い浮かぶのが中将姫伝説の当麻曼陀羅図です。) さて私が今度の「貴婦人と一角獣」の連作タペストリーを初めて知ったのは、ユング心理学の本でした。山中康裕『絵本と童話のユング心理学』の、女性の心の中の男性像(アニマ)を説明する章に、詩人リルケがこのタペストリーを紹介する絵本(ドイツ語版)を挙げて解説しているのです。この本自体は朝日カルチャーセンターの講座がもとになっているので、解説もかんたんでちょっと物足りないぐらいなのですが、小さくモノクロながら載っていたタペストリーの画像がとても印象的でした。 それで今回、そのタペストリーのホンモノを見ることができたのですが、その大きさと鮮やかさ、緻密さは想像以上で、もう後期中世のヨーロッパにトリップしたかのようでした! 展示には外題看板の6枚の連作のほかにも、タペストリー(や装飾品)がありましたが、「貴婦人と一角獣」はその色合いや織り込まれたあれこれの美しさ華やかさという点で、他を圧倒していると感じました。 男性を表す一角獣や獅子の表情が人間くさいのも興味深かったけれど、まわりにちりばめられた花々や小動物も良かったです。特にたくさんいたのがウサギ。聖書の場面を描いたなどの他のタペストリーにはいないのに、「貴婦人と一角獣」にはさまざまなポーズの小さなウサギたちが愛らしく織り込まれています。 数年前に娘にプレゼントした「シンデレラ」のポップアップの洋書にも、家の中だろうがお城の広間だろうが、小さなウサギがたくさん描かれていたのをふと思い出しました。 それで、展覧会の解説を読んだらば、ウサギは多産の象徴なのでした。なるほど。新婚夫婦のお祝い品だと推測されている「貴婦人と一角獣」や、シンデレラの本にウサギがいるのは、そういうわけなのですね。 いろいろと勉強にもなった美術鑑賞でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 15, 2013 12:07:07 AM
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