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HANNAのファンタジー気分

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November 6, 2013
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 先月の日記で、ある文庫本の表紙が気に入ったと書いたのですが、本を図書館に返したあともあまりに気になるので、ちょっと検索してみました。

 スペイン生まれ、メキシコの女流画家レメディオス・バロ(1908-1963)。
レメディオス・バロ予期せぬさすらい 図書館に『レオメディス・バロ――予期せぬさすらい』という伝記+画集みたいな大きな本があったので、借りて読みました。おもな作品や、たくさんの写真が載っている、懇切丁寧な解説本です。
 絵画も伝記もあまり守備範囲じゃない私ですが、ページをめくりだしたら止まりませんでした。まず、物語が紡ぎ出されてきそうな美しい絵に。そして、パワフルな美しいバロ自身(写真)に。さらに、そのへんの小説より波瀾万丈な彼女の生涯に。

 バロは第二次大戦前後の激動の時代に、故郷を離れ、フランスでシュールレアリズムに触れ、戦争をのがれてそこを脱出し、ついにメキシコに新天地を得ます。混乱を生き抜き自分の絵の世界を確立していく彼女の、なんと魅力的なことでしょう。
 そして、彼女の描く、深い心の奥底のような背景、緻密な建物や乗り物、幻想的な光、作者自身の分身と思われる女性など、幻想世界の見飽きることのできないすばらしさ。

 この本は絶版で、古本はとても高価なお値段でしたので、私はまたひとしきり検索して、1999年に関東地方のみで開かれたらしい「バロ展」の図録を、古書ネットで買い求めました(掘り出し物というか、たいへんお手頃な値段で中川書房さんから入手しました。感謝!)

 おまけに今日、『本と本屋とわたしの話』の編集をなさっているMさんが、バロの絵葉書を送ってくださいました。

 いや、もう毎日バロざんまい。何だか運命の出会い的な気がします。

 だれかの絵をこんなに気に入ったのは、『海鳴りの石』の挿絵を手がけてくださった君島美知子さんの絵以来かも。
 そういえば、幻想的な女性を描くという点で、少しだけ共通点があるような。

 
 





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Last updated  November 7, 2013 12:38:57 AM
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