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今日12月26日は、ボクシング・デイです。欧米ではバーゲンの始まる日、もとは、クリスマスにも休めない郵便配達人や使用人たちの休日、さらに古くは聖ステファノの日(スティーブンズ・デイ)だそうです。
『マン島の妖精物語』によると、イギリスのマン島ではこの日に、鳥の王さまであるミソサザイやその羽を持って子供達が家々を回る習慣があるとか。 スズメよりも小さく色も地味なミソサザイが、なぜ鳥の王さまなのか? というお話が、この本に載っています。どれだけ高く飛べるかを鳥たちが競ったとき、ミソサザイは頭を働かせて、最も高く飛んだワシの翼にこっそりつかまって便乗します。最後の瞬間にワシより高く飛んで、みごとに一位を獲得。そこで、鳥の王さまということになったそうです。 このお話をもとに作られたと思われる絵本もあります。ジェーン・グドール『ワシとミソサザイ』。数年前、小学生の読み聞かせに使いました。そこにはスコットランドの民話と紹介されています。 冷静に考えると、ミソサザイの勝ち方ってちょっと反則っぽいですよね。でも、小さくて弱いものならではの生き抜く知恵なのでしょう。 そう思うと、似た話が東洋にもあるのに気づきました。十二支の動物たちの中で、なぜねずみが一番なのかという民話です。ねずみは早々と出かけた牛の背中にこっそり乗っていき、最後にぴょんと飛び降りて一番に神さまの門へ走りこんだ・・・そう、ミソサザイと同じ小さい者の知恵! ♪ミソサザイ、ミソサザイ、すべての鳥の王 聖なるスティーブンの日に、 ハリエニシダの茂みでつかまえた。 ――ソフィア・モリソン『マン島の妖精物語』ニコルズ恵美子訳 これは、The Wren In The Furze(ハリエニシダの中のミソサザイ)といって、ハイテンポの楽しい歌です。私はザ・チーフタンズ(アイルランドの民族音楽バンド)の「The Bells Of Dublin」というクリスマス・アルバムのCDを持っていますが、その中にこの歌をふくむ、The Wren! The Wren! と題された楽しいメドレーが収録されています。 『マン島の妖精物語』に紹介されている民話には、お隣のアイルランドの民話と共通なものが多いですが、不思議と日本の民話によく似たものもあります。 「ビリー・ベッグとトム・ベッグと妖精」:せむしのトムが妖精の宴に加わり、合い言葉をうまく言ったので背中のこぶをとってもらう。話を聞いたせむしのビリーが翌晩出かけるが、よけいな知恵を回しすぎて合い言葉に失敗し、こぶが二つになってしまう。これは、「こぶとりじいさん」そのものですね。こぶの場所が違うのと、妖精でなく鬼だというところが、お国柄でしょうか。 また、よけいなことを言って失敗するのは「ねずみ浄土」にも似ています。 そういえば、よく指摘されていますが、アイルランドのオシアンの伝説だって、浦島太郎そっくりなのです(海の楽園に連れて行ってくれるのは、アイルランドでは亀でなくて妖精の乙女ですが)。 大陸の西の端のケルトと、東の端のニッポンと。不思議ですねえ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 27, 2013 12:39:15 AM
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