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カテゴリ:ファンタジックな音楽
前に「小学館オールカラー世界の童話シリーズ」を話題にしましたが、同じくらい古い記憶に、「こどものうた」(小学館の童謡絵本)があります。10ページぐらいしかない絵本で、表紙に赤い服を着た女の子が、色とりどりに塗り分けたおもちゃの鉄琴をたたいている絵がついていました。
そういう鉄琴を、確か自分でも持っていたような気がします。ドが赤で1番、レが黄色で2番、となっている定番のおもちゃです。 どんな歌が載っていたのか、全部は覚えていませんが、最初の方のページにある「かなりや」がとても好きでした。 ♪うたをわすれたかなりやは うしろのやぶにすてましょか という、西條八十のあの歌です。 一行目から衝撃的な歌詞です。歌わない鳥を捨てるとは。私の家はそのころ、よく鳴くカナリアを飼っていました。日曜日の朝、みながねぼうしていると、夜のあいだ玄関の暗がりでフロシキをかけてある丸い鳥かごの中から、ピー、チチチチ、チュチュチュチュ、とだんだん高くなる歌声が聞こえ、彼の声域のてっぺんまで上り詰めると、最後はピピピピチーチーチー♪ とミの音で終わる歌でした(幼心に、私にはそう聞こえました)。 そんな、私にとっては身近だったカナリアを、この歌ではいとも簡単に捨てたり、ぶったりするのです。 しかし、挿絵にはそんなおそろしい情景はありませんでした。見開きいっぱいの月夜の水面に、ほっそりと輝く白い小舟、そこにただ一羽乗っかって孤独の中で歌おうとしている、月光の化身のような、レモンイエローのカナリアが描かれていました。 その、幻想的で美しかったこと。カナリアはさびしそうというより、俗世を超越した芸術家のような孤高で清浄な雰囲気で、その絵は「捨てましょか」の歌詞以上に、衝撃的でした。 ♪うたをわすれたかなりやは ぞうげのふねにぎんのかい つきよのうみにうかべれば わすれたうたをおもいだす --西條八十「金糸雀」 この絵本には、ほかに「雨ふり」「花嫁人形」「夕焼け小焼け」があったのを覚えていますが、とくに「花嫁人形」はキライでした。日本の風土的悲しさがいっぱいで、晴れの花嫁姿で泣かねばならない彼女の口に出せない悲しい状況、その歌を歌いながら折り紙の花嫁人形で無心に遊ぶ少女(そんな絵がついていたと思うのですが)も、今は知らないけれどゆくてに希望が見えない・・・そんな印象を持ちました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 10, 2014 12:15:24 AM
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