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HANNAのファンタジー気分

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June 10, 2014
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 コミックスのときから気になっていたけど読んでいなくて、映画も行きそびれて、やっと先日TV録画を観てみました。

 評判に違わぬおもしろさで、古代史大好きな私のツボにもはまるお話でしたが、それ以上に私的に「おお!」と驚き嬉しかったのが、主人公ルシウスが古代ローマと現代日本を行き来するときの通路「水」。彼はお風呂などの水流にのまれてタイムスリップし、涙が出るともとの世界に還っていきます。
 水の流れこそが、こことあそこをつなぐ・・・これは拙作『海鳴りの石』と同じ仕掛けなんです。
 神話や伝説でも、三途の川とか、桃源郷とか、水は異世界との境界であり二つの世界をつなぐ役割を果たしていることが多いです。

 そして、拙作では世界を越えて流れる水は「うたう潮流」などと呼ばれているのですが、「テルマエ・ロマエ」の映画でもルシウスが流される場面で突如オペラ歌手が現れろうろうと歌う(声はあのプラシド・ドミンゴなんですって!!)ので、ほんとに嬉しくなりました。

 こういうのは、偶然の一致とか、真似をしたとかいうことではなく、意識の深いレベルで共通のものに触れたという感じで、だから「嬉しい」のです。

 さらに「涙」というのは大浴場など外界の水流に対して、内的な水流。インナースペースとかミクロコスモスとか、いろいろ言葉がありますけれど、そういう世界でも主人公やヒロインは異なる次元を行き来するような感情のうつりかわりがあるんだなあと思いました。

 世間ではこの春「テルマエ・ロマエ2」がもう出ているんですけど、いまさら原作(映画とはだいぶ違う)を買いそろえるべきかどうか、迷ってしまう今日この頃です。





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Last updated  June 11, 2014 12:01:24 AM
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