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カテゴリ:近ごろのファンタジー
少し前に読んだスプラッタなダーク・ファンタジー「デモナータ・シリーズ」の第4巻、といっても一応1話読み切りの形らしく、この巻だけは古代アイルランドが舞台で、魔力を持つ少女の物語、『ベック』。
バンバ(アイルランドの三人の“名の女神”の一人)、フォモーレ(アイルランドに移住した5種族の1つ)などなど、神話的な名前がたくさん出てくるし、古代ケルトの生活様式の描写もあって、ケルト・ファンとしてはなかなか楽しめました。 「悪魔」が襲い来る恐怖の日々の中、みなしごの少女ベックが旅をして自分の出自を求めます。ドルイド(魔法使い)に魔術を習ううち自分の能力に目覚めて、と王道的な成長物語。 ・・・なんですが、そこは例のスプラッタ。冷酷非道で容赦ない血みどろがこれでもかと出てきます。旅の仲間は一人また一人と斃れていき、終盤にはベック自身も悲壮な覚悟を決めて・・・ 悲しい結末でもそれなりに達成感というか、落としどころがあることを期待していたのですが、その部分は意図的にブチ切りになって終わります。あとがきに書いてある通り、悲鳴で始まり悲鳴で終わるという彼女の短い人生そのもののみ(といっても、きっと彼女は転生してあとの巻に再登場するだろうと予想できますが)。 このように、舞台となった古代世界の結末があまり描かれないまま終わるのが残念ではありますが、シリーズ全体からすると、ベックの視点だけで一気に描ききって次へつなげたいという作者の気持ちも分かります。 ところで、この未完な感じと、奇怪な化け物満載でたそがれゆくケルト世界には、既視感を抱くなと思ったら、私の大好きな、未完のコミックス『クリスタル☆ドラゴン』とそっくりなのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 17, 2015 12:35:30 AM
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