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カテゴリ:近ごろのファンタジー
荻原規子の歴史ファンタジー新刊『あまねく神竜住まう国』は、ファン待望ということでさっそく購入しました。
読書メーターの感想にもあったのですが、勾玉三部作や『風神秘抄』に比べてとても“短い”。ほとんど一気読みしてしまいました。 『風神秘抄』で大胆に歴史を動かした笛吹&舞姫のコンビ(カップルというより、コンビという方がしっくりきます)が、自分たちが変えた源頼朝の運命を気にしての再登場。作者自身も頼朝の命運を気にしている様子があったので、やっと書いてくれましたか!という感じです。 そして、「土地」に根ざそうとする作者のこだわりも、変わっていません。そのうえ、あの大震災後のニッポン人としては当然のことですが、土地そのものの畏怖すべき脈動を感じての、ストーリー展開。「あまねく神竜住まう」とは、偉大な土地神に守られたという意味の他に、ニッポン全土が生きて動いているプレートの上に乗っかっているのだという意味でもあります。 で、頼朝はそのように色んな意味で「生きて動いている」関東に、草十郎と糸世の助力のもと、自分の居場所を確立します。 歴史上の有名人ですから仕方ないのですけど、最初の章で蛭が小島の「大蛇」が言及され、なんとなく結末が見えてしまうのが、ちょっと残念。 そしてそのように結末が決まっているのなら、過程の、草十郎&糸世に怨みを持つ万寿姫の霊が、頼朝に(異母弟とは言え直接関係がなさそうなのに)からんでくるあたりに、もう少し動機づけや劇的展開が欲しいと思ってしまうのは、欲張りでしょうか。 ともあれ、生来まさっていた「白い竜」に加え、「赤い竜」を見いだした頼朝は生き延びました。このあと、同じく草十郎&糸世の力で生き延びた後白河法皇との対決で、この二つの竜はどのような働きをしていくのでしょうか。そして、その時代にどうしても無視できない人、義経(万寿姫と同様に会ったことがない、異母弟)とのからみでは。 また、続編を期待してしまいますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 21, 2015 11:45:16 PM
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