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テーマ:テレビドラマ(820)
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映像美を追求した4Kで、NHKが「精霊の守人」シリーズを昨年春から実写ドラマ化しています。いま第2弾「悲しき破壊神」を放映中。
NHKは何年か前にアニメ版も作っていますが、その記憶が薄れないうちにもう別バージョン(実写化)とは、最近の物事のテンポは速いのですねえ。 物語の舞台である架空世界、その世界のさらに「異世界(精霊の世界)」ナユグのあれこれを、細部まで凝って描き出していて、なかなか見ごたえがあります。アジア大陸風の架空世界をここまで豊かに再現するのは、例がないんじゃないかしら。 もちろん、土台になっている原作がすごいのです。架空世界の景色、民族、衣食住、祭や習慣などまできっちりリアルに創られています(作者は専門の文化人類学者さんですから、当然といえば当然!)。が、映像化するとなると、文章の何十倍いや何百倍もの情報というか、要素が必要ですよね。 それで、目に新しい衣装や髪型や町並みなんかを楽しんで見ていると飽きないし、ナユグの幻想的な映像もハイ・クオリティ。戦闘シーンは真に迫って力強い。 ・・・それなのに、なぜか違和感が。そう、主人公のバルサを演じる綾瀬はるかさんが、ワタシ的には、ちょっと若々しすぎるんです。 化粧っけもなく、パワフルに戦い、語気もするどく、すごくがんばっている感じで、好感が持てるんですけど・・・、バルサは登場時すでに30歳(放映中の第2作では34歳)、それも現代の30歳とはかなりちがうと思うんです。 平均寿命が80歳代で、アンチエイジング大流行の現代ニッポンと違って、物語世界の30歳は、人生半ばを過ぎる感じじゃないでしょうか。原作にもあったと思いますが、物語世界の標準なら30歳の女性はもう何人も子供を産んでて当然の「中年」のおばさんです。男勝りのバルサもそこんところは分かっていて、人生を振り返ったり人格的に熟して変わっていく、そういう状況が原作には描かれていて、とても新鮮で興味深いものがありました(以前の日記参照) ところが綾瀬はるかさんが演じると、現代の31歳(綾瀬はるか実年齢)なんです。まだ全然おばさんじゃありませんよね。今のびざかり、どんどん素敵になっていく、発展途上な感じがします。ドラマとしてそれはそれでいいのかもしれませんが、私は個人的にとても残念なのでした。 その点からいうと、アニメ版の「精霊の守人」のバルサの方が、絵も声もおばさんで、自信も落ち着きもあり、ちょっと退いた物言いも、いい味出ていました(胸がすごく大きかったり唇がツヤツヤだったりするのは違和感でしたが、アニメならではということで)。 タンダはアニメより今回の方がヤクーっぽくていいんですが(でもやっぱり若い!)。チャグムは去年のドラマではあんまり幼くてこれもがっかりしましたが、今回若者になっていてどんな感じか注目しています。 まあ、原作とまったく同じではなく、アニメはアニメ、ドラマはドラマならではの解釈や描き方がある方が、良い物になるのだと思いますから(「ロードオブザリング」のフロドも「ホビット」のトーリンも若造でしたからね)、心を広く持って続きを見ていきたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 2, 2017 09:22:53 PM
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