更新が滞っているので、最近読んだ本についてメモを少し。
『よるのばけもの』(住野よる) 娘のお友達のおすすめ本。最近の若者(学校)事情がわかる、いや、私自身の中学時代とずいぶんちがうので、「よくわからなかった」と言ったほうがいいかも。いじめとかスクールカーストとかそういう話だけど、誰が得してるのか(笠井くん?)、なぜそんな必要があるのか(実はサイテー野郎の笠井くんこそ、こんなつまらないことで楽しみを感じているのなら実は最も心を病んでいるの?)? とにかく、彼らは自分のポジションを守る以外のことに心を傾けるける余裕がないらしい。この話に出てくる学級も、まるで無人島のように隔絶されて内部でみんないたずらにもがいている。と思ったら『十五少年漂流記』を思い出してしまった。でも中学のクラスは本当は無人島じゃない、せまい無意味な空間に閉じこもって悩む必要は本当はない。この状況は誰にとって都合がいいのだろう? もしかして大人が子供を管理するのに都合がいいとでも?
って、本当はばけものに変身するファンタジーを味わいたかったのに、そういう話ではなかった。で、短いお話だが、読んだら疲れてしまった。
『1984年』(ジョージ・オーウェル) 最近ちょっと話題らしいと聞いて、思い出して再読。初めて読んだ1984年当時の記憶にある通り、究極のディストピア小説です。しかしこの状況が絵空事とは思えない昨今の国際情勢、あるいは短く切りつめられ意味が制限され変わっていく言語も最近のIT用語とか日本人の好きな短縮形とかみたい・・・。でも、ふと思います、もしかして近現代のどの時代に読んでもそう感じるのでは? 独裁者に最後には愛情さえ感じてしまう心理や社会、これはそれらの普遍的な性質を表しているのかも。いや、これも読後感がずずーん。
『バーナム効果であるあるがある』(川原泉) 上記2冊のあと、ちょっと心をいたわりたいところへ久しぶりの川原泉の新刊。ほっとしますねえ。