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HANNAのファンタジー気分

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November 22, 2017
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カテゴリ:気になる絵本
 つい先日、復刊ドットコムから届きました。赤羽末吉の奔放な絵が魅力的な『ひょうたんめん』です。種子島の民話を神沢利子が書いたもの。以前、学校で読み聞かせをして以来、娘がすっかりファンになった妖怪。
 長らく絶版でしたが、このほど復刻されると知り、予約注文していました。

 右はインパクトのある表紙絵。商人からうばった塩を食べているところです。つると葉っぱもついていて、なるほどヒョウタンなんですが、ばかでかいし、伸縮自在の手足もついているらしい。塩ばかりか馬も食うなど、すごいパワーです。
 「ジャックとマメの木」みたいに、どんどんつるが伸びてたくさん実るヒョウタンの生命力が、妖怪へと変幻するもとになっているのでしょうね。

 そんなヒョウタンは、アジア各地の神話によく出てくる植物だそうです。食べられないのに有名なのは、昔からいろんな器や仮面など、道具に加工されるから。で、ヒョウタンから世界が生まれたとか、大洪水のときヒョウタンに隠れた兄妹だけが助かったとか、ヒョウタンの中は仙人の異界だとか、興味深い話がいっぱい。
 そういえば、孫悟空(西遊記)の戦う金角・銀角の魔法アイテムにも、相手を吸いこんでしまうヒョウタンがありましたっけ。
 河合隼雄が紹介している吉田敦彦という人の研究によると、アフリカでもヒョウタンの話が伝わっていて、ひょうたんめんに似て、家畜を全部と奴隷、主人公の父親まで食べてしまうおそろしいヒョウタンだとか(「おおぐいひょうたん」という絵本として日本でも紹介されているようです)。
 これらのヒョウタン像は、すべてを呑み込む母性(太母神)の象徴だということです。われらがひょうたんめんも、赤羽さんの絵からは女性には見えませんけど、大地の女神の申し子なのかもしれません。

 太閤さんの旗印にもなっているヒョウタン。霊的パワーにあふれているようです。





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Last updated  October 12, 2021 12:41:39 AM
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