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HANNAのファンタジー気分

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June 7, 2022
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 もうだいぶ前になりますが、海外ニュースで、「アナグマのおかげで古代ローマの金貨を発見」という記事(スペイン発)を見ました。アナグマが土を掘り返した跡で金貨200枚余を地元の人が見つけたそうです。古代ローマ人がお宝を隠した場所だったのです!

 すぐに思い出したのが、​『ドリトル先生の動物園』​に出てくる、アナグマの金発見のエピソードです。
 ドリトル先生の庭にある「動物園」と称する小動物のクラブが財政難に直面したとき、クラブのメンバーのアナグマが、地下で金塊を発見するのです(画像は、南條竹則『ドリトル先生の世界』の表紙で、金が歯にはさまって先生に診てもらうアナグマ)

 「じつに思いがけないことであった。これも、古い金貨が見つかったというのであれば、そう驚くにはあたらない。しかし、これはどうも自然のままの金塊らしい。・・・」
 「・・・これはずっと昔の鉱山師が、どこかほかのところで掘ったやつを、ここに埋めてかくしたとしか考えられん。」
           ――ロフティング『ドリトル先生の動物園』井伏鱒二訳

 ドリトル先生の住んだとされるイギリス・ウェールズ地方も、スペインも、ローマ帝国の支配が及んだ土地であり、ローマ金貨が使われた土地でした。それにしても、ドリトル先生の言うとおり、アナグマがほんとに金貨を掘り出すことってあるんですね!

 もう一つ、英国とアナグマで思いだすのは、『たのしい川べ』に出てくる、アナグマくんの家です。森の地下にある大きくて入り組んだ数々のトンネルや部屋は、

  「ずっと大むかし・・・ここに都――人間の都――があったのだ。」
  「人間というものは、きて――しばらくそこに住み、栄え、家を建てる――そして、また消えてしまうのさ。それが、人間のつねなのだ。しかし、ぼくたち[アナグマ]は、いつまでも残る。・・・われわれアナグマは、その都のできるずっとまえから、ここに住んでいたんだそうだが、いまも、このとおり、いるんだ。われわれは、しんぼうづよい種族なのだ」
     ――ケネス・グレーアム『たのしい川べ』石井桃子訳

 これもまた、古代ローマのことを彷彿とさせる意味深な話です。というのも、ローマは最盛期を過ぎるとイギリスから撤退し、そのあとにはアングロ・サクソンの移住と戦いが続く暗黒時代があったのです(アーサー王の時代。サトクリフのローマ・ブリテン連作『第九軍団のワシ』などをまたブック・サーフィンしたくなります)。

 さらにこれはアメリカの動物ファンタジーですが『竜の冬』(ニール・ハンコック)という物語にも、アナグマの家の地下何層にもわたる「ハイ・クラン」のトンネルと古い秘密の部屋や宝剣が出てきます。

 日本のアナグマは民話などでムジナと呼ばれる生き物で化けたりもするようですが、タヌキやキツネに比べるとマイナーで、地下のすみかといえば、「同じ穴の狢」という言葉ぐらいで、あまり良い印象ではない気がします。
 ヨーロッパのアナグマはなんだか古くてちょっと高貴な感じさえしますね。





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Last updated  June 7, 2022 12:42:22 AM
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