カテゴリ:私事:本/雑誌
副題:対話における「使いやすさ」とは
著者自身も終章とあとがきで述べていますが、特定の条件かでの結果であり、まだまだ一般化できる尺度にはなっていません。また、人と人工物との相互作用を見る上での新しい「見方」としてのガイドラインを示した、とも述べてますが「ほんとうかぁ~」って感じです。 「使いやすさ」を定義するに当たっての認知工学のモデルの変遷と新たなる要素の必要性を第一部で述べているのは、まぁよいでしょう。で、なんで第二部になると「人工物比較を通してみる対話・コミュニケーション」になるんでしょう? 「使いやすさ」を考える時に、対象となる人工物だけでなく、利用する人、利用する目的、その場の状況も考慮しなければならないというのはもっともかとは思います。ただ、その後の展開が「使いやすさ」を知る上で実証の場としてコミュニケーションを取り上げたというよりかは、様々なメディア(人工物)を介したコミュニケーションの変容を記す際の前振りに無理やり「使いやすさ」というキーワードを使ったようにしか感じられません。 なので、論点が「使いやすさ」ではなく、コミュニケーションのとり方が利用媒体によってなぜ違うのか、にずれてしまっています。しかも、さわりだけで突っ込んだ実験をやっていなかったりもするので中途半端な印象を受けます。結局のところ「何を書きたかったのか」がよく分からなくなってます。 ただし「メディアを用いたコミュニケーションについて」として読む分には、なかなか興味深い箇所もありました。対面会話、電話、TV電話、PCといった利用できるチャネルが異なるメディア間での実験を行っており、利用するメディアに応じてコミュニケーションがどのように変化するのかを知る上で貴重な手がかりとなるかと思います。 ■楽天ブックス ★★☆☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/05/18 10:23:02 PM
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