カテゴリ:語学のコツ
子供向け・外国人向けにつくられた「現地語・現地語辞典」があると、できるだけ買うようにしている。
(英語、日本語の辞書は除いて) 今回、台北の洋書屋さんで掘り出し物が3冊もあった。 (中山北路の「敦煌書局」にて) いずれも、字が見やすい優れもので、ちゃんとお付き合いすれば絶対上達するぞと夢見るのですが (そしてじっさい、時間をかけてお付き合いすれば間違いなくそうなるはずですが) わが家の本棚は、そういう夢想に包まれながら購入した辞書であふれております。 さて、その3冊とは (1) PONS Kompaktworterbuch Deutsch als Fremdsprache (「外国人のためのドイツ語小辞典」。 「小」といっても厚さ6.4センチ) (2)スペインLarousse社の Diccionario maxi junior de la lengua Espanola (7~12歳向けと銘打ったスペイン語辞典。 イラストページ豊富で、見出し語1万8千語) (3) Le Micro-Robert (ル・ミクロ・ロベール。 「ミクロ」といっても厚さ6.1センチ。) 英英、独独などを使う良さとして「ことばのニュアンスがよりはっきり分かる」などという宣伝文句がよくありますが、 ことばの「ニュアンス」だけをいうなら、英和や独和で的確な日本語訳をもらったほうがよっぽどいいこともある。 現地語・現地語辞典を使って、いいところは ―― (い)語釈を読むと関連語彙がどんどん確認・吸収できる (ろ)気のきいた例文があると、たのしい (は)日本語の脳細胞を離れて自由に浮遊できるのが愉快 わたしはこの3点をあげたいです。 たとえばね、今回買った子供用のスペイン語辞典で yoyo を引くと、 いきなり例文がきて そのあとカッコ内に補足説明がある。 やや直訳調に和訳すると、こんな感じです: ≪学校の子供たちはみんなヨーヨーであそび、それを動かしながら誰がいちばん長い時間もちこたえられるか競っていました(=円盤と糸でできたおもちゃで、手を上下させるのにしたがい、円盤が糸を上り下りする)。≫ これをスペイン語で読むわけですね。 「ヨーヨー」にまつわる関連語彙が集合していて、 飲めば血となり肉となる濃縮ジュースになっている。 外国人用の独独辞典は、 日本の洋書屋さんでは Langenscheidt 社の中辞典と小辞典がよく置かれていて、わたしも両方もっていますが、 中辞典のほうは字が小さく、 小事典のほうは見やすいが説明がやや簡単すぎ。 こんかい、PONS の「外国人用独独」をはじめて見て買ったのですが、じつに使いでがいい。 日本の洋書屋さんにもぜひ置いてほしいです。 あと、ミクロ・ロベールも、「お噂はかねがね……」という存在でしたが、今回はじめて手にとりました。 見出し語が、 肉太だがキレのいいイタリック体で11ポイント大の見やすさ。 目に快く飛び込む見出し語の後ろに、 ロベール独特の、遊園地のようににぎやかな語釈が続く。 「遊園地のように」という意味はですね、 簡潔な定義は普通字体、用例はイタリック体、関連語彙の表示は「⇒ボールド体」……というふうに字面(じづら)が変化に富んでいて、 そしてこの関連語彙の表示がじつに多い。 シソーラス感覚なのですね。 あぁ、とにかく目が喜ぶ辞書です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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