テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:台湾の玉石混淆
台湾で7月2日に行われた大学センター試験の「数学B」(“数乙”)の選択問題に、
古文(=文語文 = 日本人にとっての「漢文」)の読解力がないと解けない問題が出され、 奇問だと批判されています。 国語科(=中国語科)では、 じつに設問の66%、配点の74%が古文の読解に充てられ、 あまりに復古調ではないかと、これまた批判の的。 7月3日の夜から台北に出張してきています。 ホテルの隣のコンビニに残っていた3日の『自由時報』が、試験の古文偏重を1面トップ記事で伝えていました。 数学に古文が出てくるとは、 日本に置き換えれば江戸時代の和算の本に出てくる例題をそのまま引用して 「これを解いてみよ」 と受験生に要求するようなものかしらん。 同紙3面の“大学指考文言文考題挙例”によれば、こんな設問だったそうで。 拙訳と原文(字体は常用漢字体にしました)をご覧ください。 ≪中国古代から伝わる或る数学書に以下のような一節がある: (句読点は現代人のために加えた) いま、多き数21と少なき数15あらば、問う、等数は幾らか。≫ 「等数」というのがよくわかりませんが、この後を読むと「最大公約数」のことらしいのです。 訳文を続けます。 ≪草(そう)して曰(いわ)く: 21を上に、15を下に置き、下の15を以(もっ)て上の21を除去せば(=割れば)、上のあまりは6なり; また上の6を以て下の15を除去せば、下のあまりは3なり; また下の3を以て上の6を除去せば、よろしく尽(つ)く(=割り切れる)。 則(すなわ)ち下の3は等数となし、問いに合(ごう)す(=回答である)。≫ う~ん。つまり 21÷15=1…6 15÷6=2…3 6÷3=2 で割り切れるから、 割り切れる直前の「あまり」の3が、21と15の最大公約数だ ということらしいのですね。 またひとつ勉強させてもらったのですが、さて、試験の解答として受験生は何を書けばよいのでしょう。 新聞紙面では古文の箇所だけ引用していて、設問の趣旨まではわかりません。 以下、中国語の原文。 “今有多数”のところからが古文になっています。 ≪中国古代流伝的一本数学書中有下面這段文字: (標点符号為現代人所加) 今有多数21,少数15,問等数幾何? 草曰:置21於上,15於下,以下15除去上21,上餘6; 又以上6除去下15,下餘3; 又以下3除去上6,適尽。 則下3為等数合問。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jul 5, 2007 09:10:35 AM
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