テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:台湾の玉石混淆
台湾の新聞を読んでいると
自分はいま巨大な「村」にいるのだろうかという感覚にとらわれるときがある。 昨9日の『自由時報』(民進党寄りの高級紙)の1面記事は ≪上半年地震少 大地震前兆?≫ という11文字が紙面を横断する大見出し。 壁面が外れ室内むき出しの5階建てビルが傾いた写真が 17 cm × 17.5 cm の特大サイズで掲載されたが、 解説を読むと5年前の3月31日台北大地震の資料写真だ。 記事を読むと 「今年前半の有感地震は147回で、年平均値の4分の1しかなく、大地震の予兆ではないかと地震学者が警鐘をならしている」 というもの。 日本なら、高級紙と低級紙を問わず、せいぜい社会面の囲み記事か、科学面の解説コラムにしかならないネタだが。 7月6日の『自由時報』の1面トップは、高雄県で野良犬に衝突して死亡した無名のバイク女性の記事だった。 これが1面トップとは、なんと“平和”(?)な国だろう。 路上の白墨の丸い囲み線のなかに野良犬の死体。地面に白墨で「狗屍」とある。10メートル離れて赤いバイクが横たわる。 そんな15.5 cm × 16 cmの写真つき。 高級紙の1面ですよ。 ご当地ネタではないのだ。台湾南部の高雄県の出来事だから。 なくなった女性が衝突したのが「自動車ではなく」野良犬だったため、 バイク保険の保険金も下りず、 野良犬なので犬の飼い主に賠償を求めることもできず、 そこで遺族らは、なんと「国家賠償」を求めている。 これが1面記事になった理由。 (もっとも、大見出しは 「バイク、野良犬に衝突 賠償もとめる相手なし」) 村役場が野良犬狩りをやってこなかったから野良犬がはびこり事故が起きたと遺族は主張する。 台湾全土の野良犬は推計15万匹だそうで、随分ムリがある。 村役場側も 「野良犬狩りの要請は受けてこなかった。とつぜん責任を問われても困る」 と、まことに当然のコメントをしている。 なんで野良犬と衝突した程度で死亡したかというと、 バイクを運転していた女性が体重100キロ以上の巨体、 しかもスピードを出していて(ブレーキ痕が17メートル)、 犬と衝突したあと10メートルも跳ね飛ばされ、 地面にぶつかったらヘルメットが割れて頭部右側から流血、意識不明。 5人で担ぎ上げ病院へ搬送途上に息絶えた次第。 国家賠償の前にヘルメット製造業者を訴えるべきだと思うが、 中国製のヘルメットだったのかしらん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jul 10, 2007 09:08:06 AM
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