テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:台湾の玉石混淆
8月22日に書いた話題を続ける。
古新聞話題で恐縮なのだけど 金曜日夕方に勤務先の台北事務所で大掃除がはじまり次々に古新聞が使われはじめた拍子、まったくの偶然で7月21日の『中国時報』が目にとまった。 教科書用語言い換えについての記事があった。 古新聞のほうから「読んでくれ」と呼びかけてもらった気分だ。 言い換え例を続けると、 “中日(甲午)戦争” ⇒ “清日戦争” 「日清戦争」のこと。 Wikipedia の中国語版は“甲午戦争”を見出しにとり、“甲午中日戦争”または“第一次中日戦争”とも言う、と注釈をつけている。 大清(だいしん)帝国と大日本帝国との戦争だから「日清」または“清日”が自然なのだけど、 この “第一次中日戦争” という用語は日本の一部の歴史家が飛びつきそうですね。 もちろん、さすがに“中日”ではなく 「第一次日中戦争」 という呼称になるでしょうが。 ちなみに泉用語としては(泉オリジナルではないけど) 白村江の戦いは「日唐戦争」 元寇は「日元戦争」 文禄・慶長の役は「日明(にちみん)戦争」と呼んでおります。 日清戦争のことを「第一次日中戦争」と呼んでしまうと そのまえの日唐戦争、日元戦争、日明戦争は第何次の日中戦争じゃい? ということになっちゃいますがね。 『中国時報』の紹介例によれば、 “台湾は我が国の東南海域にある僻遠の地である” という一文が槍玉にあがったそうで、これは誰もが文句なしに理解できるだろう。 あきらかに大陸側からものを見、台湾をおとしめている。 “鄭成功はオランダ人から台湾を取り戻し(“収復”し)たので、後世の人々から民族英雄として尊ばれている” という表現も「取り戻す」「民族英雄」という“価値判断用語”が議論を呼ぶので、修正・削除が必要とされた。 アジア対ヨーロッパという観点でみれば、上の一文は許容範囲内ではないかと思うが、それはひとまず措き、 ここで使われた“価値判断用語”という用語は気にいった。 客観的であるべき報道記事には「価値判断用語」を使ってはならない ―― というふうに使えるから。 台湾人スタッフのコメントから: 『 自分は、“明代” “清代”という用語は避けて、 “大明” “大清”という用語を使うようにしています。 “大明帝国” “大清帝国”のことですね。 明も清もそれぞれ歴史上の個別の国家であって、中国というひとつの国が単に代替わりしたわけではない、という意識でつかっています』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Aug 27, 2007 08:58:14 AM
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