テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:ぼくの疑問符
9月11日の日経夕刊3面に、Suica や Pasmo をアジア諸国でもそのまま使えるようにする実験構想の話が出ていた。
国土交通省の官僚が考えていることなのだが、わたしは反対だ。 これに参加することが想定されている他国、とくに中国のことを信用できないから。 ≪東アジア共通IC乗車券 来年度メド実証実験 国交省 官民検討委 13日発足≫ こんなものが実現したら、Suica や Pasmo のシステム運用コストに、中国や韓国・タイのカントリーリスクをカバーするための保険料が乗ってしまう。 たまさかの旅行者や出張者個人ベースで考えれば「便利」にはなるだろうが、それだけのためにいまのSuica や Pasmo の運用費用より明らかにコスト高になる。 それは当然、運賃に上乗せせざるをえないのだ。 全体像として見たときに、ごく一般の利用者にとってはコスト的にマイナスだ。 北京や上海の交通局の末端の誰かがシステムをいじって、Suica や Pasmo の使用者が多数乗車ないし買い物したことにするニセ情報で日本へ課金してきたらどうする。 国境を越えてシステムをオープンにしてしまうと、そういう国際的窃盗行為のリスクにさらされてしまう。 クレジットカード会社は現実にそういうリスクに日々さらされていて、そのリスク料はクレジットカード会社側の手数料に反映されている。 クレジットカード会社は、まさにそういうリスクをとるのが商売だからいいとして、かたぎの Suica や Pasmo までをそのリスクにさらす必要はない。 ニセ情報による課金を防止するために、IC乗車券の使用状況の詳細を相互検証できるシステムにしたとしようか。 するとこんどは端的にいえば 日本人の日々の生活の詳細を中国共産党が把握できるシステムと化してしまう。 国境はだいじにしたほうがいい。 けっきょくそれが安くつく。 国交省発表資料にもとづいて書いたと思われる日経記事は、 ≪中国の北京や上海、香港、韓国のソウル、釜山、シンガポール、タイのバンコク≫ には言及しているが、台北の悠遊カードには言及がない。 「媚中」官僚に典型的な台湾素通り(タイワン・パッシング)の姿勢がさっそく見えた感じで、この辺からしてイヤな感じだ。 === (追記) この問題を詳細に論じたコラムを10月1日に配信したので、どうかお読みください。 http://blog.mag2.com/m/log/0000063858/109008493.html 10月2日のブログにも、さらに補足を書きました。 http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200710020000/ 10月9日に追加の配信コラムを書きました。 「東アジア共通IC乗車券で旅行者が増えるか」 http://blog.mag2.com/m/log/0000063858/109034453.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 9, 2007 08:07:07 AM
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