テーマ:政治について(20124)
カテゴリ:ぼくの疑問符
10月1日に「東アジア共通IC乗車券」への反対論を配信コラムに書いた。
http://blog.mag2.com/m/log/0000063858/109008493.html 応援メールをいくつか頂戴した。ありがとうございます。 いまのところコラム子(し)への反論は来ていない。 国土交通省国国土交通政策研究所が発表した「東アジアにおける交通系共通ICカード導入に関する研究」という報告書がある。 http://www.mlit.go.jp/pri/houkoku/gaiyou/pdf/kkk52.pdf 2年前、平成17年7月のもの。 (国土交通省の研究会は、じつにいまから5年前の平成14年に設立だ) 期待して読んだのだが、全文が性善説で貫かれていてがっかりした。 国外のネットワークに日本のICカード網をリンクさせて相互決済を始めたときに生じかねない不正操作や不払いリスクについては全く触れられていない。 研究の焦点はもっぱら 「システムを超えてICカードを作動させることがどうすればできるか?」 という「理系」の目からみたものだ。 IC乗車券を共通化するメリットについては、訪日旅行者数の増加が見込めるという根拠なき期待感を撒き散らしているだけだ。 この研究者たちに聞きたいが、 たとえば東京首都圏の Suica と名古屋圏の TOICA が連動して使えるようになれば、それを理由にして東京・名古屋間の旅客が増えるものだろうか。 旅客の利便が増すことは否定しないが、それが旅客を「増やす」要因になるとは常識で考えてとても信じられない。 たとえばですよ、名古屋のタクシー料金が2倍に値上がりしたとして、それが東京→名古屋間の旅客を減らす要因になるだろうか。 研究者たるもの、IC乗車券の共通化によるメリットを金銭化して考えてみてはどうか。 たとえば日本と台北のIC乗車券が共通化されることによって、日本人旅客が台北で感じるメリットは何円くらいの価値があるか。 ちなみにぼくの評価は200円だ。 200円出すと言われたら、ホテルの近くの駅まで歩いて台北のIC乗車券「悠遊カード」を買ってきてあげるよ。 100円じゃ動かないな。 要すれば、IC乗車券の共通化によるメリットって、そんなもんじゃないのか。 そのために費やする膨大な経費よ。 官僚の趣味以外の何者でもない。 日本の役所なら、まず日本国内の交通網を共通IC乗車券で覆おうと考えるのがスジだろう。 ところがすぐに「大陸雄飛」を考えてしまうのだね、柄にもなく。 日本国内の疲弊を横目に、朝鮮や満洲帝国へ(いまとなればもったいない)巨額の投資をした昭和前期の「革新官僚」たちの体質とどこが違うか。 == (追記) 10月9日に配信コラムを書きました。 「東アジア共通IC乗車券で旅行者が増えるか」 http://blog.mag2.com/m/log/0000063858/109034453.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 9, 2007 08:08:07 AM
コメント(0) | コメントを書く
[ぼくの疑問符] カテゴリの最新記事
|
|