テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:台湾の玉石混淆
11月27日の『自由時報』(台湾の大手紙)の「自由広場」欄に台湾系米国人の 張 慧 さんが書いていた ――
英漢辞典を引けば China の訳語は「中国」、 china の訳語は「陶器」だけれど、台湾内の統一派メディアは外電に出てくる China を「大陸」と訳している。 では学校の英語のテストで学生・生徒が China を「大陸」と訳したら、正解と見なしてくれるだろうか。 もし China =「大陸」なら、「アメリカ大陸」はどう英訳するの? ―― 北京政府の統治地域を「中国」でなく「大陸」と呼ばずにはいられない心理の裏には、「大陸 + 台湾 = 中国」という図式が含まれている。いわゆる「1つの中国」。 (注: これを称して「統一派」と便宜的に呼ばれているが、実際に台湾を北京政府の統治に差し出したいと考えている台湾人はほとんどいないと言っていい。) 北京政府が統治する地域が「中国」、台北政府が統治する地域が「台湾」、というふうに割り切るべきというのが対極の考え方。張 慧さんは、これ。 わたしは台湾国の独立を支持しているし、ここ数年つとめて後者のスタイルで書こうとはしているのだけど、やはり文脈によっては China の意味で「大陸」と書くこともある。 台湾の正式国号が「中華民国」であるうちは、これを略せば「中国」だ。 台湾国会の第一党は野党「中国国民党」。 台湾の3大紙のひとつ『中国時報』 ……といった具合に、「中国」が名称としてまだまだ残っている現状としては、クリアに北京政府統治地域を指したいとき、どうしても「大陸」と言ってしまいがちだ。 台湾のさまざまな固有名詞(組織名、刊行物名など)に使われている「中国」を「台湾」に変えてもらうのが端的な解決法だけど(そしてじっさいここ2年ほどで加速度的に改名が進んでいるけれど)、 一足飛びが無理ならせめて「国」の字を消して「中華」にする手もあろうと思う。 「中国国民党」→ まず「中華国民党」→ やがて「台湾国民党」に、ということですが。 ひとさまの国のことながら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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