テーマ:政治について(20109)
カテゴリ:ぼくの疑問符
セルビア領土のうち、アルバニア寄りの地区コソヴォが独立宣言した。
アルバニアはしばらく親米国として「いい子」にし、やがてコソヴォを併合するのではないか。 もちろん、持参金として膨大なODA供与の約束があることが前提だろうけど。 人口200万人。 もともと貧しい地域なのに、内戦で社会基盤が破壊されて今でも1日の半分は停電状態。工場の稼働率はわずか2割だ。 かくして、失業率が45%から60%に達している。 年に3万人が学業を終えるが、就職の口は6千しかない。 若者の失業率、じつに8割。とても希望の国ではない。 だから、人口の9割を占めるアルバニア人も、もともと独立を希望していたわけではなかった。 10年前に「コソヴォ解放軍」なる組織に参加していたのはわずか200人だ。米国からテロ組織の認定を受けていた。 ところが、コソヴォがNATO軍ないし米軍の基地を置くための利用価値ありとの認識に至った米・欧が、コソヴォを独立させてしまえと決めた途端に、どうなったか。 コソヴォ解放軍は俄然「自由の闘士」扱いになりテロ組織認定は解除され、逆に米・英・独・伊らによる大規模援助がはじまった。 これにセルビア政府軍が反撃し、それをNATO軍が叩いた。 もともとセルビア人の土地だったものを、オスマントルコが14世紀末に分捕ってアルバニア系イスラム教徒を入殖させたコソヴォは、領土上の「虫歯」だ。 その虫歯の主が21世紀になって、米国・西欧に入れ替わっただけだ。 米国・西欧の策謀でもって、援助なしでは食えない地域を独立させたのだから、責任は米・欧だけで取ってもらいたい。 日本は、コソヴォ独立を承認するだろうが、それには反対しない。 日米同盟があるのだから。 米国・EUからはさらに「日本も援助を……」と、いけしゃあしゃあと言ってくるだろうが、それには1円も出さないでほしい。 もともと自活していた地域だ。豊かな西ヨーロッパが自分の都合で独立させた地区なのだから、西ヨーロッパが面倒を見るべきだ。 台湾では『自由時報』2月18日号が1面に大見出しで “新國家誕生 科索沃獨立” と掲げ、3面の大見出しは “科索沃獨立 恐爆骨牌効應”(コソヴォ独立 ドミノ効果の引き金となる可能性も)。 社論は「コソヴォは勇敢な独立の道を選択した」と題して、独立の気概は見習うべし、と讃えている。 絶対的な貧しさと長い内戦状態が台湾と大違いだが、コソヴォからの写真を見ると心の中で台湾独立宣言の日を重ね映しできるのは確かだ。 一方『中国時報』『聯合報』は扱いも地味で新聞本体では報道しておらず、「国際ニュース・スポーツ」の別刷りのトップ扱いだ。社論でも扱っていない。 『中国時報』の国際面コラムは、コソヴォ独立がいかに米・欧の都合でもたらされたものかを縷々(るる)書いていて、わたしには学ぶところが多かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 19, 2008 08:49:49 AM
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