テーマ:中国&台湾(3305)
カテゴリ:台湾の玉石混淆
“中國悍妻錬鎖弱夫45天”
「中国籍の精悍なる妻が弱い夫を45日間、鎖で監禁」 これが2月28日『自由時報』1面の第2ニュース。焼けただれたような悲惨な左脚だ。 台湾の高雄(たかお)県 路竹郷(ろちくごう)のできごと。 身長150センチの妻(34歳)が、身の丈166センチの夫(42歳)をどうして? 主要3紙を読み比べたら、犯行動機の書きぶりが随分ちがっていて「ほほォ…」と うなった。ご紹介しよう。 『自由時報』B1面。左の、手錠をかけられ頬杖をついているのが悪妻の林(りん)容疑者。 9年前、当時33歳の許(きょ)さんは結婚仲介業者の紹介で中国・福建省のMiss 林と知り合って台湾に連れ帰り結婚したのでありました。 子供も生れました。 許さんは昔の交通事故で両脚が不自由。鍍金(めっき)工をやったり、クリーニング屋をやってみたり、そこそこの生活をしていたつもりでしたが、妻の林さんに 「稼ぎが悪い」 と罵られる日が続き、やがて頻繁に暴力を振るわれる側になります。 とくに去年、この奥さんが台湾の身分証明書を取得したあたりから、暴力は激しさを増し、許さんは“家暴保護令”というお墨付きをもらって別居。 ところがさる1月12日に許さんを林容疑者が尾行し、後ろから殴打。 たちまち警察が取り押さえたのですが、翌13日に許さんは身柄を引き取ってやり悪妻の住まいに連れ帰ってやるのですね。 これぞまさしく「腐れ縁」ですが、この悪妻、あろうことか許さんが寝ている間に両脚を縛って鎖で窓枠につなぎ、監禁状態にしてしまった。 以後、毎日のように50回、60回と棒でなぐり、食事は2~3日に1度残り飯を与え、あとは水だけ。大小便も紙を敷いてその場でさせるという始末。 さてここからが動機の整理ですが、『自由時報』説では、 ≪監禁中に妻は彼に離婚協議書に署名するよう迫り、子供の監護権は妻側に渡せと要求。2人が離婚したら許さんが別の中国人女性をめとり、紹介料を林容疑者に渡すようにせよと要求した。≫ 要求されなくても普通なら「即、離婚」でしょう! なんという腐れ縁。訳がわからん。 いっぽう ↑『聯合報』によれば、2人は昨年にすでに離婚していた(!)というのですね。 基本的事実が違う……。 『聯合報』いわく、許さんは ≪昨年10月に保護令を申請したあと離婚して、実家に戻り一人住まいをしていた。≫ それが、1月13日に路上でモト妻に遭遇。モト妻は許さんを拉致して監禁した、というのであります。 あれ? 1月12日に警察に一旦取り押さえられたはずでは……? さて、モト妻の言い分はというと、 ≪あの夫はぐうたらで、わたしにカネをせびり、はてはわたしの福建省の実家から5万元(=75万円)の借金までした。 離婚のときは子供の養育費を出すと言っていたのに出してくれないから、子供を学校にもやれなくなった。 もう我慢できず、監禁してやった。≫ さて ↑ 『中国時報』はというと、許さんのことばを引いています。 「あの妻は自分が連れてきたんだから、いまさら誰を恨むでもなし」 「以前、離婚も考えたけど、妻がどうしても別れないと言ってねぇ」。 そりゃぁ別れたかったでしょう、許さんは。 ところが、林容疑者は台湾の身分証明書を取得するまではと、許さんにしがみついた。 目当ての身分証明書も取れて、林容疑者は許さんを監禁。 ≪監禁期間に林容疑者は離婚協議書に署名したが、条件として子供の監護権を要求するとともに、許さんが大陸にゆき紹介を通じて偽装結婚をし、紹介料は彼女に渡すようにと要求した。≫ いちばん辻褄が合うのは『中国時報』記事のように思えます。 事件ものを面白おかしく報じるのは『蘋果日報』がお得意ですが、わたしはふつう買わないので比較できなくてご免なさい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 29, 2008 02:04:53 AM
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