テーマ:政治について(20112)
カテゴリ:ぼくの疑問符
日銀総裁に武藤敏郎副総裁を充てる人事案に民主党が反対している理由を見て、笑いが止まらなかった。
少なくとも「小沢民主党」が絶対に使えないはずの理由付けではないか。 『日本経済新聞』が 「財務省主計畑が長く日銀の独立性を担保できない」 と民主党主張を要約している。 11日の衆参両院の議院運営委での質疑応答を読んでも、この点に行きつ戻りつしている。 すでに5年間も日銀副総裁をつとめた人なのに、それより前に財務省にいたのがダメというなら、小沢一郎氏はどうなのか。 自民党の本流らしきところにいた人物であり、こんな人物に党の代表をつとめさせては民主党の独立性を担保できまい。 現に「大連立」構想も出して、民主党の独立性なるものを揺さぶる行動もしてるじゃありませんか。 武藤敏郎氏が5年以上まえの前歴ゆえにダメというなら、まず小沢一郎氏を下ろすところから始めていただいたほうが分かりやすい。 福田康夫氏が首相になったとき、ああ、このひとは海部俊樹氏や宮澤喜一氏タイプの首相として何もせずに終わるだろうなぁと直感したけど、ほんとに直感どおりだ。 3月4日の『北國新聞』「時鐘」が、伊吹幹事長のいう「韓信の股くぐり」の境地について触れている。 今日の忍耐はよいとして、後日(ごじつ)背水の陣を敷く覚悟ありやと問うている。 福田政権になってから政治の争点が軒並み小粒になった。 三流役者として「韓信の股くぐり」を演じ、股をくぐった途端に、監督から「カッ!」と声がかかり、「いやぁお疲れさまでしたぁ」と撮影現場が和む…… イメージとしてはそんな感じがする。 目前の政治争点に論ずるべきものを感じないので、次の次の配信コラムでは再度「道州制」問題について熱論するつもりだ。 3月4日の「時鐘」、いつもながらいい文章なので掲げておく。 ≪「韓信(かんしん)の股(また)くぐり」。 金沢の講演で伊吹自民党幹事長から古い言葉が出た。 衆参のねじれ解消へのがまんの姿勢を述べたものだった。 若い世代にはなじみ薄い中国故事から来た言葉だが、政官界では今でもよく使われる。 昨年、就任直後の福田首相も「韓信」を引き合いに出して耐える心境を語ったことがある。 幹事長はこれを踏まえたのだろう。 政治評論家の早坂茂三さんも「宰相は忍の一字」と生前よく使った。 谷内前外務次官も、安倍前首相の中韓歴訪時に、韓信の故事の大切さを直言したと聞く。 一定の年齢以上の人たちに染みこんだ教訓なのかもしれない。 韓信は前漢時代の人。若いころ乱暴者との無駄な争いを避けて、言われるがまま相手の股をくぐった。 大志ある者は小さな恥辱に耐え忍ぶとの教えだ。 やがて韓信は「国士無双(こくしむそう)」と評されるほどの武将になり、有名な「背水の陣」の故事も残した。 耐えるだけの人ではなかった。 そこで、崖っぷちに立つわが日本の与野党の知将・猛将に問いたい。背水の陣が意味する決死の覚悟はあるのかと。 国会は混乱するが、それだけの緊張感がさっぱり伝わって来ないのは、なぜか。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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