テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:台湾の玉石混淆
ことし4月4日は清明(せいめい)。
陰暦にもとづき、年によって変わるので、4月5日のこともある。 日本のお彼岸よりやや遅れるが、冬のあいだに荒れた墓をきれいにする日。 台湾、香港、中国では休日になっている。 香港、中国では“清明節”として公休日。 香港で公休日になったのがいつなのか調べられなかったが、中国で公休日になったのは今年から。 共産党政権が先祖をないがしろにして、災い大いに世に満ちる現代だから、伝統回帰はけっこうなことである。 台湾でも公休日だが正式名が“民族掃墓節”という。 韓国人でもがつけそうな名称だが、この“民族掃墓節”という名は昭和8年に中華民国政府が決め、それが引き継がれている。 同じ清明が韓国では、一般には“寒食”(かんしょく、ハンシク)と呼ばれる。 その日に合わせて4月5日が“植木日”(しょくぼくじつ、植樹の日)という名の公休日とされていた。 ところが、公休日が多すぎては経済競争力に影響するという理由で平成18年から公休日ではなくなった。 さて、上の写真である。 3月31日の『中国時報』紙(台湾)の台北版(C1面)から。 台北市役所が推進している“樹洒葬”(じゅしゃそう)の現場である。 貧しくて、墓地を調達できぬ人のための措置だった。 骨壷を埋めたところに一年生植物を植え 1年経ち植物が枯れるころ骨壷も遺骨も地中で分解するので、 同じ場所に別のひとの骨壷を埋め また同じように一年生植物を植え 1年経ち植物が枯れるころ骨壷も遺骨も地中で分解するので、 同じ場所に別のひとの骨壷を埋め また同じように一年生植物を植え…… ……という形で公園風に景観を維持して土地利用の効率化を図ったのだが、 これは日本では感情として到底受け入れられまい。 案の定、台湾人にも抵抗があって、合意のうえでの“樹洒葬”ではあったものの、骨壷を埋めた場所に何がしかの碑を立ててみたり、故人が好んだ遺品や人形を置いたり、果ては仏像や十字架を置いたりする者も現れた。 台北市役所は「6月末までに私物を持ち帰らねば、強制撤去する」と4月1日に公告。 もともと“樹洒葬”という形に問題があるのではないか。 言っては何だが、ポチの墓か金魚の墓である。 やはり納骨堂のような目に見えるものが必要なのが人情ではないかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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