テーマ:政治について(20118)
カテゴリ:ぼくの疑問符
インドネシア発で「鳥インフルエンザ」関連の、気になるニュースがあった。
すでに事態が改善していればよいのだが。 4月18日の『ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)』社説によると インドネシアの保健大臣Siti Fadilah Supariさんが鳥インフルエンザのウイルス標本をWHO(世界保健機構)に渡すのを拒んでいるというのだが、その主張が驚きで、 「ウイルス標本も知的所有物 (intellectual property) の一種なのだから、原産国の利権となってしかるべきだ。 いやしくも、わが国の知的所有物が、外国企業によるワクチン開発のためという商業目的に使われるとすれば、渡すわけにはいかない」 WSJ紙はこれに viral nationalism(ウイルス・ナショナリズム)と命名した。 「私企業が商業目的で開発するのでなければ、ワクチンをいったい誰が作ってくれると思っているのか」 と保健大臣女史の的外れを批判している。 Siti Fadilah Supari さんはインドネシアでは大衆ウケ路線の政治家の由で、著書のなかでは 「米国はわが国から入手する鳥インフルエンザ・ウイルス標本を生物兵器研究に使うのではないか」 と推論を書いたりして、それがまたウケているらしい。 インドネシアは来年が選挙の年だ。 ほんらい、政治のために選挙があるのだが、この保健大臣女史といい小沢民主党といい、選挙のために政治があるものと勘違いする向きが増えているのではないか。 WSJ紙の社説でなるほどと思ったが、ウイルスというのは突然変異を繰り返して別物になってゆくので、その変異の過程を追跡してゆくのが研究のカギだ。 だから、研究者のもとに世界中のウイルス標本が集められるというのがとてもだいじなことで、標本に欠落があると研究に支障が出る。 理屈が通じぬひとと見なされると、国際的にはまともに相手にされなくなり一層困ったことになるのだが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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