テーマ:政治について(20119)
カテゴリ:科学技術に驚く
人間や家畜の口に入るべき玉蜀黍(とうもろこし)や砂糖黍(さとうきび)を、車輌のエンジンで燃やす材料に使うという今日の「バイオ燃料」のありかたは、偽善的で嫌いだ。
ところが、その代替作物(?)としてもてはやされている植物も、そらおそろしい問題を抱えているという。 ひとつが、暖竹(だんちく)ないし葦竹(よしたけ)と呼ばれる、高さ3~7メートルにまで伸びる多年草。 こんな植物です(写真は Wikipediaから)。 英語では giant reed(巨人葦 きょじんあし)と呼ばれる。 欧州連合(EU)は、この栽培に補助金を出していて「バイオマス作物のチャンピオン」と持ち上げている。 米国フロリダ州でも大々的な栽培の計画がある。 ところが5月21日『ニューヨーク・タイムズ』紙の Elisabeth Rosenthal 記者の記事 New Trend in Biofuels Has New Risks (バイオ燃料の新流行に新たなリスクあり) によると、暖竹はけっこう怖い作物らしいのだ。 猛烈に水を吸って、想定外のところに根を広げる。そして燃えやすい。 ふつうの農作物が作れない湿地帯めいた荒地に暖竹を植えた途端に大繁殖して、水は干上がり排水路は詰まる……ということになりかねないという。 もうひとつ、もてはやされているのが南洋油桐(なんようあぶらぎり)。 英語では jatropha という。手元の辞書には出てなかったけどね。 ↑ こんな植物です(写真は Wikipedia から)。 この作物の種子が30~40%の油分を含んでいて、これを絞って化学処理して精製すると、ディーゼル油として使える。 まことにけっこうな話なのだが、じつはこの種子が毒を含んでおり、かつ農地や牧草地に植えると爆発的に広がる可能性があるという。 ↓ こんな種子ですが。 価値観の転換に乗った新たな農作物というのは、いろんな落とし穴を抱えているということ。 複眼の目で対処しないと、こわい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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