きのう6月9日は新聞休刊日だったから、駅売り一般紙は SANKEI EXPRESS 紙だけだった。
以前『産経新聞』本紙が新聞休刊日に「宅配なし・駅売り限定」で出されたときは、危機感を募らせた他紙がしつこく「休刊日なのに宅配ありの特別号」を出しつづけた。 けっきょく皆んな疲れて「止め」になった。 毛色のちがう(そしてまだ部数も少ない) SANKEI EXPRESS 紙は、業界(=ナベツネ…?)から新聞休刊日駅売り発行のお許しが出たようだ。 その新聞休刊日を前に、けっして許せない陰惨な事件が起きた。 SANKEI EXPRESS 紙の腕の見せ所だったのだが、1面見出しが失敗だった。 ≪「オタクの聖地」凍った≫ と大きな明朝体。 小さな小さな副見出しが ≪秋葉原通り魔 7人死亡、10人けが≫。 新聞というより日刊雑誌志向の SANKEI EXPRESS 紙のカラーを出そうとして考えに考えてつけたのであろう大見出し ≪「オタクの聖地」凍った≫。 文字通りオタクすぎる見出しだ。凝りすぎて、浮いた。 駅売りで買ったわたしは、このあまりにオタクな大見出しの新聞を電車のなかで広げる勇気がなかった。 大見出しと副見出しが逆でもよかったのではないか。 もっと「普通の新聞らしく」てもいいと思う。 本文冒頭も ≪オタクの聖地アキバの愛称で知られる東京・秋葉原で8日昼、……≫ とあるが、この始め方があまりに軽い。 痴漢事件ていどなら結構だが、今回のような大事件の第一報として書く記事、つける見出しは、もっと無機質的なほうがよかった。 せっかく他紙が出ていない休刊日に出せているのだから、号外を出しているつもりで紙面整理をしてほしかった。 SANKEI EXPRESS 紙は横書きの特性を生かして、見出しに横文字を入れることがあるのだが、それも賛成しかねる。 駅売りで2つ折りで新聞立てに並ぶと、横文字だけが見えてパッと見、英字新聞のように思えるときがある。 駅売りでアピールするよう、1面と最終面の紙面レイアウトや見出しのつけ方を工夫したほうがいい。 コンパクトで読むところも結構多く、ほんらい駅売り向きの SANKEI EXPRESS 紙なのに、潜在する実力を発揮できていないのが惜しまれる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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