先週月曜の会社での出来事がずっと気になっていたのだが、ようやく「オチ」を見つけたので書くことにした。
エレベーターに6人ほど乗っていた。 以前いっしょの課にいた50代前半の人を背にして立っていたら、後ろから 「泉って、なんでそんなに髪が黒いの?」 と聞いてくるではないか。 エレベーターのなかで 「染めてます」 なんて、恥ずかしくて言えるか。 隠すために染めてるんだから。 まさか「昆布を毎日たべてるんです」なんて答えを期待していたのだろうかネ。 女性に「なんで、最近まつ毛が長いの?」と聞くようなものだが。 ひとまえで「マスカラつけてます」なんて言わせてみろ。 夜道で脳天を叩き割られるだろう。 これが同僚か年下の相手なら 「バカなこと訊くな」 で終わりだが、相手は年長者だからそれは言えない。 しかし頭には「愚」の字が乱舞し、口からついて出たのが 「それって、愚問じゃないスか?」 言ってから、自分のことばのきつさに、自分で戸惑った。 かと言って、言い過ぎたと謝ることもないと思った。 だって、まぎれもなく「愚問」だ。 「それは愚問ですね」 じゃなくて 「それって、愚問じゃないスか?」 と、いちおうは口調にクッションも入れたし……。 先方に悪気がないのは分かっていた。ただ愚かなだけ。 でも「それって、愚問じゃないスか?」は、きつかった。 模範的な受け答えは何だったんだろう? ■ 昨日、エレベーターに乗っていたとき、隣にいた同僚に後ろから元ニューヨーク駐在の某氏が突っ込みを入れてきた。 「◎◎君も髪がずいぶん白くなってきたじゃないか」 そもそもこういう、人を見下す目線というのが気に食わない。 このテの突っ込みを入れて先輩風(かぜ)を吹かす人間をぼくは軽蔑するが、同僚の受け答えはよかった。 ひと呼吸おいて 「苦労してるんですよ……」 と、ゆっくり一言。 あぁぁぁぁ これ、つかえる 「泉って、なんでそんなに髪が黒いの?」 「……苦労が足りないんですよ」 とゆっくり言ってやればよかった。 会社での受け答えとしては満点だ。 「エレベーターのなかですよ」 という無機質的な答えも考えたのだが、 「苦労が足りないんですよ」 という はずし方に軍配だ。 40代かそれ以上の男性の場合、 「苦労してるんですよ……」 「苦労が足りないんですよ……」 は、どちらを遣うかさえ間違わなければ、どーでもいい突っ込みに対する ほぼ万能の受け答えことばになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jun 21, 2008 12:12:18 AM
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