テーマ:政治について(20109)
カテゴリ:日本の政治
国民の税金を使って行われている教育の成果の監査が、「全国学力テスト」 によって (やはり国民の税金を使って) 行われたのが昨年4月。
その後、その結果をどのレベルまで詳細に公開するかという議論が、新聞ネタになった。 企業の監査報告も、その詳細報告が一般公開されるわけではないけれど、少なくとも部ごとにその部の問題点は詳細に通知され、改善を求められる。 学力テストもいわば 「監査」 の結果なのだから、「監査」 の結果に基づく改善策が 「監査人」 から自治体や学校ごとに提示され実行に移されるのが、考えてみればスジというものだ。 税金を使って行っている教育事業を税金を使って監査した結果は、きちんと生かされているのだろうか。 そんなことに思い至ったのは、『北國新聞』 社説で石川県の七尾(ななお)市と羽咋(はくい)市の取組みを知ったからだ。 前向きの姿勢は、じつに気持ちがいいものだ。 『北國新聞』 社説 (平成21年2月17日): ≪七尾が学力向上対策へ 「学テ」 生かす試みに期待 七尾(ななお)市教育委員会が新年度から全小中学校で国語や算数、数学などの学力向上対策プランを実行する。 小学6年生と中学3年生を対象にした昨年4月の全国学力・学習状況調査 (全国学力テスト) の結果から、苦手と考えられる問題点を導き出し、その弱い点を克服する対策である。 全国学力テストの利用法の一つであり、試みが実を結ぶことを期待する。 文部科学省は、全国学力テストの結果を都道府県レベルでしか公開していないが、それでも問題点の把握は可能である。 石川県内の公立学校では小6、中3とも国語、算数、数学の多くの分野の正答率が都道府県順位で1けた台に入った。 七尾市教委によると、同市の正答率も全国平均を上回ったが、思考力、判断力、活用力の設問では 「弱い」 傾向が見られたため、昨年9月に小中の教諭や教頭らが弱い点を克服するための学力向上委員会を設立し、12月に市教委へ学力向上対策プランを提言した。 新年度からの取り組みはこの提言に基づいて始まるが、たとえば 「ノートに自分の考えを書く欄」 を設けて表現させ、この積み重ねによって学力を身に付けさせるなど、具体的な提言になっている。 学校教育法 37条で、授業の運用や編成は学校長の裁量とされており、学校ごとに授業の工夫が行われている。 そのため七尾市のような市ぐるみの取り組みとなると、まだ少ないようである。 七尾市に先立ち羽咋市が全国学力テストが始まる前の2005年度から教育活性化プランを全小中で進めているのが注目される。 七尾市の取り組みは、この羽咋市の試みをも参考にしたそうである。 羽咋(はくい)市の場合、1年間の成果を公開授業で示すことにしている。七尾市も結果の公開を目指してもらいたい。 児童生徒の学力向上の取り組みを開かれたものにし、同時に教える側の相互研鑽(けんさん)が深まれば、問題点のありかがよく見えるようになるだろう。 こうした地域ぐるみの実践がさらに広がっていくことによって全国学力テストの意義も深まるはずと考えたい。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 18, 2009 07:51:52 AM
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