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Feb 25, 2009
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カテゴリ:ことばと文字
去年、イベントを2回やって、それぞれ現代詩と短歌にメロディーをつけて詠むという、時代に20年も先んじたことをやって、予想外にウケなくてガックリきたのだけど。

そこで分かったことは、同じく 「詩」 といい 「短歌」 といっても、メロディーに乗せやすいものと乗せにくいものがあるということ。

ことばに流れるリズム感の違いなのだ。
たぶん、なにかの法則があるはずだ。

2月24日の日経夕刊1面 「あすへの話題」 で、アナウンサーの山根基世さんが、「群読」 に向く文章と、そうでないものがあることを書いていて、詩人・谷川俊太郎さんのこんなことばで締めていた:

「群読に向く文かどうか、先生によく判断していただきたいですね」。


群読というのは、何人かが次々に、あるいは一緒に、あるいは教室中の生徒がいちどきに声を揃えて、朗読を行うこと。

これが音楽でいう 「合唱」 のように、ひとつのジャンルとして育っているらしい。

母校の愛光学園の広報誌にも、中3生が5名で群読のチームをつくり 『平家物語』 の 「扇の的」 を読んで、昨年10月18日の 「美しい日本語暗唱コンテスト」 (松山つばきライオンズクラブ・主催) の特別賞に選ばれたことを報じてあった。

≪那須与一の名場面を、重厚な男声が時にはたたみかけるように、時にはたゆたうように、またそれぞれの声の個性を生かして単独で読むなど変化をつけて暗唱していました。≫

こうなってくると、朗読劇との垣根は低い。
群読が、演劇や朗読劇に学んで、藝として進化してくれることを望む。

山根基世さんのコラムが、群読のエッセンスを言い当てておられるので、再録させていただく。

≪「群読」

 「ことばの杜」 の活動の一環として、小・中学校の国語の授業を参観させていただくことが多い。

先生方が、それぞれの工夫で個性的な授業を組み立てていらっしゃる努力の様子に、頭の下がる思いがする。

だが、気になることもある。最近は、教室で児童・生徒、全員一緒に、声を揃えて、様々な文章を読ませる 「群読」 の授業も増えている。

古文や和歌・俳句、白秋の詩など、ことばの響きや調べの美しさを、子どものうちに体に記憶させるのは、素晴らしいことだ。

生涯、その子のことばの豊かな支えになることだろう。

しかし、現代文の散文を、声に揃えて読むのは如何なものか?

 一緒に読むということは、呼吸を合わせるということだ。

5・7調の韻文なら呼吸を合わせることは簡単だが、散文の場合は難しい。

例えば 「けさ、あさがおが、にわに、さきました」 を群読しようとすれば、文節ごとに切って語尾を延ばさなければ呼吸は合いにくい。
しかもそうすれば必ず節がつく。

節をつけ語尾を延ばす読み癖がついてしまえば、まともに現代文を読めなくなるではないか。≫

群読に適するのは、音節ひとつひとつに豊かな重みのある古文、あるいは個々人の世界を突き抜ける力のある文体なのだろう。

≪ 先日、詩人・永瀬清子の出身地、岡山県赤磐(あかいわ)市で 「永瀬清子の詩の世界」 というイベントに参加した。

会場の全員で永瀬清子の詩を群読する場面をという声もあったが、ご一緒だった谷川俊太郎さんも、永瀬さんの詩は現代文のものが多く、群読には向かないというご意見だった。

そこで代わりに谷川さんのリズミカルなことば遊びの詩、いるかの詩を全員で読んだ。

その楽しいこと、群読はとても楽しいことなのだ。

だから谷川さんはおっしゃるのだ。
「群読に向く文かどうか、先生によく判断していただきたいですね」と。≫





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最終更新日  Feb 25, 2009 11:10:54 PM
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