2月初めに松山へ帰って親しい人に会ったとき、気色(けしき)ばんでしまった。
人: 「泉さん、今度ばかりは民主党に入れるしかない思うんよ。
いまの自民党じゃ、いかんわい。
民主党が ええ(良い)と言うわけじゃないが」
泉: 「昭和前期の教訓がまったく生かされていない物言いですね。
かつて政党政治が滅びたときも、人々はそんなふうに
“いまの政党政治じゃ、いかんわい。お灸をすえてやらな、いかん”
などと うそぶいて、ブレの激しい近衛文麿を応援し、さらには 軍事社会主義 (いわゆる「軍国主義」の正確な言い方) に走る軍人政権を支持したのでしょうよ」
人: 「……」
泉: 「ほんとは自民党がマシと思っているなら、正直にそう投票したほうが後悔せずにすむ。
“お灸をすえるために” 本心とちがう投票をするですって?
時代をなめるのも、いい加減にしたほうがいい」
*
産経の2009/03/03 21:22更新のネット記事に出ていた、佐藤優・外務省元主任分析官(起訴休職)のコメントが興味深かった。
≪官邸が指示した国策捜査というよりは、現場の検察官の本性が出たように見える。
彼らは青年将校のように、民主党に権力が移って政治が混乱するのは国益を害すると信じて一生懸命捜査したのだろう。
だが内閣支持率が10%前後まで落ちたこの時期に手を付ければ
「検察は政治的だ」
と必ず言われる。
逮捕容疑が事実なら、半年待って総選挙後に淡々と立件すればいい。
そう言って止めるのが検察幹部の仕事なのに、統率力が落ちたのではないか。≫
小沢氏の秘書逮捕のニュースを知ったとき、
「なぜ今?」
と考えるまでもなく浮かんだ直感が
「あぁ、アメリカだな」。
田中角栄や金丸 信の時代の感覚でカネを扱っていたら、米国の高度な諜報技術の前に馬脚をあらわすのは時間の問題だ。
さきの参院選のとき、米国がなぜ小沢民主党の勝利を放置しておくのだろうと不思議だったけれど、さすがに
「日本には第7艦隊だけ おればよい」
と首相有力候補が言い出したら、潰しにかかるのが当然だろう ……
…… と考えているひとは わたしだけではないので、ここに書いたことに何らの独創性もない。
*
小沢一郎代表の辞任も時間の問題だろうが、
それともホントに辞任せずに、民主党を小沢教徒とそれ以外に二分させて潰してしまう気か?
今の政界を見渡したとき
♪ 昔の名前で出て~います~~
と唄って旧態依然なのは、自民党のほうではなく、小沢・菅・鳩山・横路の面々だ。
この人たちの鈍重が、国家をもてあそぶ。
(麻生太郎首相は、歳は食っているけれど 「新顔」 なのである。)
民主党にも、野田佳彦(のだ・よしひこ)さんや長妻 昭(ながつま・あきら)さんのように前途有望な政治家もいる。
有能な議員たちを、座標軸の狂った小沢流の三文芝居につき合わせ、使い捨てしないでほしい。