テーマ:政治について(20114)
カテゴリ:日本の政治
松山市。 三越のある一番町交差点から、松山城ロープウェイ乗り場へゆっくりと坂道がのびている。
「ロープウェイ街」 と呼ばれる商店街。うどん屋と和楽器の店と骨董屋が同居する。 なかほどの路地を右に折れれば、秋山好古・眞之兄弟の生家 に至る。 いまのロープウェイ街は、むかしを知るひとには「馬子(まご)にも衣装」の感もある。 電線が中空に絡み合い、店頭も煤(すす)けていたのが、今はどうだろう。 電線を地中化し、道路は1車線化して歩道を拡げた。 店々のファサードは色合わせし、楕円形のかわいい看板を吊り下げた。 まるで、昔からこんな趣の道でしたという顔になっているから、不思議だ。 秋山兄弟の生家の復元に、一部勢力の反対で1円も出せなかった松山市。 さぞや松山市長も無念だったろうと思うが、このロープウェイ街の整備には予算をつけることができた。 ネット検索してみたら、松山市役所の平成19年3月の予算資料 の3頁に 「ロープウェイ街 (一番町東雲(しののめ)線) 景観整備事業」 ということで 5,208万5千円の予算がついていた。 「まちづくり交付金」 という国土交通省の制度を利用した。 このサイト ↑ を開くと、ページの下のほうに ビフォー & アフター の写真が並べてある。 整備後の写真を見ると、まるで昔からこんなふうだったかのような風情。伝統は創るもの、である。 景観が整備されると、豊かな気持ちになれる。住んでいる町への愛がかきたてられるからだろう。 街の景観整備を競い合う 21世紀になればいい。 * 金沢市の 『北國新聞』 が、外国人観光客を増やすための環境整備のことを、最近よく社説に書いている。 政策実施には、成果が数字で表れることも必要だろう。 外国人観光客を増やすという切り口で、景観整備にさらに踏み込めるようにするのも、いいことだと思う。 『北國新聞』 社説 平成21年3月27日 ≪海外誘客 「非常事態」 過度の悲観は必要ない 世界同時不況と円高のダブルパンチで、日本を訪れる外国人が急激に減少している。 日本政府観光局 (JNTO) の推計では、2月の訪日外国人数は前年同期比約4割減となり、観光庁長官がその落ち込みぶりを 「非常事態」 と表現するほどである。 石川、富山県を見てもおそらく似たような状況だろう。 宿泊施設の苦戦や小松、能登、富山空港のチャーター便の不振などがしばらく続くかもしれない。 ただ、だからといって、過度に悲観的になる必要はまったくあるまい。 過去にも、新型肺炎 (SARS) の流行などによって、外国人の訪日旅行需要が冷え込んだことは幾度もあったが、いずれも一時的な現象に終わっている。 世界の観光市場は、長い目で見れば着実に拡大し続けよう。 いずれ景気が好転した時、波に乗り遅れないためにも、種まきを怠るわけにはいかない。 今ある観光資源をさらに磨く努力を重ねるとともに、外国人旅行者が安心して滞在できる環境づくりも、むしろ加速させるくらいの意気込みで進めてほしい。 石川、富山県では、クモの巣のように張り巡らされている電線や電柱がせっかくの景観を台無しにしている地区がまだまだ残っている。 外国語でも対応できる観光案内所やガイド、海外のクレジットカードが利用できる現金自動預払機 (ATM) など外国人向けの観光インフラも手薄だ。 伸ばしたい長所も、克服しなければならない弱点もたくさんあるのである。 もちろん、セールス活動でも萎縮は禁物だ。台湾や韓国の落ち込みを最小限にとどめ、さらに今月発売されたミシュラン・ガイドブックの 「三つ星効果」 を新たな顧客獲得に結びつけるためにも、より効果的できめ細かな情報発信に努めてほしい。 富裕層の開拓にも果敢に取り組みたい。 観光庁にも、頑張る自治体に対する積極的な支援を求めておきたい。 昨年10月に発足した途端に堅調に推移していた訪日外国人数が大幅下落に転じ、頭の痛いところであろうが、苦しい時こそ組織の実力が試される。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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