カテゴリ:美術館・画廊メモ
10月中、ブログ冒頭に飾らせてもらった Paul Delvaux (ポール・デルヴォー)の 「海は近い」。
夢のちからで永遠の美の行列につらなる女性たち。 作品がこの世に存在するために、心からの祈りをささげたい。 できることなら微細な虫になって、作品のなかに入り込んでしまいたい。 この春に上野の東京都美術館で開催の 「日本の美術館名品展」 で、この作品に出会った。 10月25日まで Bunkamura ザ・ミュージアムで開催された 「ベルギー幻想美術館」 展 でもう一度見たとき、とてもだいじな人に再会したような悦びがあった。 「幻想美術館」 が、ベルギーからの搬入ではなく、すべて姫路市立美術館所蔵の作品から構成されているのにも驚いた。 姫路には出張の途中に何度か寄った。 お城の近くをタクシーで走った夜、夢のようにライトアップされた煉瓦造りの建物が忽然と現れ出でて目を見張ったのを今でも覚えている。 残念ながら通り過ぎただけだが、あの美術館にいつか行ってみたい。 その昔は陸軍の施設、そして戦後は市役所として使われた建物だという。 デルヴォーの作品をもう1点。 こちらは National Galleries of Scotland 所蔵の “La Rue du tramway” (「路面電車のある街路」)。 鉄道も、デルヴォーの好んだモチーフだった。 Bunkamura の 「ベルギー幻想美術館」 では、数ある作家のなかでもデルヴォーの作品を20点くらい集中して展示して、ミニ回顧展ふうだったが、「海は近い」 に比べると他の展示作品は習作のように見えた。 ……おっと、これはあくまで、「海は近い」 への憧憬が言わせた失言です。 * ルネ・マグリットの作品も Bunkamura の美術展の華だった。 マグリット作品に会うと、こころと体が浮遊しはじめる。 しかも浮遊するだけでは許してくれない。突然に想定外の磁場に入り込む。 もっと点数があるかと期待していたので、ちょっと物足りなかった。 おかげでショップで大部のマグリット画集を買ってしまった。 いつだったか、ブリュッセルに マグリット美術館 がオープンしたと日航の機内誌で読んだときは、行ってみたくて心がうずいたものだ。 マグリット自身が31歳のときから24年間住んだ建物がそのまま使われているそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 31, 2009 05:29:26 PM
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