テーマ:政治について(20118)
カテゴリ:日本の政治
「温室効果ガス」 について、去年も何度か書いてきた。
たとえば、10月21日のブログ 「電卓を片手に、風力発電と太陽光発電を考える 小沢鳩山政権のCO2削減公約値の6分の1を風力と太陽光でそれぞれ達成しようとすると、どうなるか」 2月2日の日経1面を見ると、「温室効果ガス」 に替わって 「温暖化ガス」 という語が使われていて、あれ? と思った。 グーグル検索してみたら、2月3日現在で “温室効果ガス” 1,340,000件 “温暖化ガス” 256,000件 と、「温室効果ガス」 のほうが主流だが、1字節約できるから今後は 「温暖化ガス」 が多く使われ、逆転する日も遠くないだろう。 当ブログでも、今後は 「温暖化ガス」 に替えよう。 * 小沢政権が無責任にぶちあげた温暖化ガス排出量削減目標は、1990年比で25%減 (2005年比で30%減)。 自・公政権では1990年比で8%減だった (2005年比で15%減)。 2月2日の日経1面いわく、政府が検討している実行案の主案では 「25%減」のうち日本国内で達成する目論見なのが 「15%分」 の減で、残りの 「10%分」の減は海外から排出権枠を購入してまかなうと言う。 ふざけるな。 排出権枠の購入など、国富の垂れ流し以外の何ものでもない。 わたしの勤務先でも排出権取引を担当している部署があるが、排出権取引ははっきり言って賎業だと思っている。 しかし無能な政府の案が通れば、誰かがこの賎業をやらねばならなくなる。 賎業にたずさわることを私企業に強(し)いる政府がうらめしい。 * 政府案を見る限り、「15%分」 の削減すら到底できないだろう。 ほんらい、原子力発電と高効率ガスタービンによる火力発電が対策の主力であるべきなのに それらは脇において、非現実的な対策例ばかり並べている。 まさに、日本政府は本気でふざけているのである。 以下に挙げる対策例が2020年までに (つまりあと10年ちょっとで) 達成できると、まじめに考える人がいたら、公開討論を申し込みたい。 (1) 1,000万世帯の住宅の屋根に太陽電池を設置: 1年間に100万世帯の住宅で設置工事を行うというもの。 1年の作業日数を250日として、1日で4千世帯に設置しなければならない。 いまの日本で太陽電池を設置しているのは30万世帯ほどである。 1日に4千世帯に太陽電池を設置するとは、いまと同じだけの設置数をわずか80日で達成するという、すさまじいスピード感だ。 期間を限定しなければ、1,000万世帯の太陽電池も夢ではないだろうが、今後10年で達成とは夢物語だ。 (2) エコキュートのような高効率給湯器の導入: いいアイディアとは思うが、目標はなんと 「80%以上普及」 だ。 新築やリフォーム時に高効率給湯器を導入する家庭は多いと思うが、すでにガスの湯沸し器をもっている家庭のどれだけが高いカネを投資するか。 「80%以上普及」 とは、日本全国で 3,900万世帯に普及させるということ。 九州電力の資料 によれば、平成18年8月で世帯普及率が12.2%だったという。 仮に全国の普及率が12%だったとして、これを10年間で80%にもっていくには、毎年全国の6.8%の世帯 (=265万世帯) にエコキュートを普及させなければならない。 矢野経済研究所の調査 によれば、電力会社のヒートポンプ式電気給湯器「エコキュート」が平成20年度に50万台出荷されている。 今のペースの5倍以上のスピードで普及を達成していかねばならない。 (3) 乗用車・貨物車の燃費を2~4割向上: そんな技術改善の余地があるのか、専門家にお聞きしたい。 燃費の改善競争は、1%や2%のところでしのぎを削るレベルなのではないか。 10年間で20~40%の改善など、火力発電プラントではありえないが、同じく長い歴史をもつ内燃機関の自動車でそれが可能か。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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