国際交流基金。国内外で日本文化紹介・交流活動を地道に行っていて、その機能は大いに拡充すべきだと、かねてから思っている。
ところが、驚いたことがある。
政府の出資金600億円が国際交流基金で 「運用資金」 と称して塩漬けにされ、預金金利や国債・地方債の利子を稼ぐことに充てられているという (
産経新聞3月7日1面)。
政府の出資金は、調達コストとして 「国債の金利 + α」 が掛かっていると見るべきだ。
金利を払って調達している政府出資金なのに、これを預金し預金金利を 「運用益」 と称して事業につかうとは、とうてい正気の沙汰ではない。
まして、国債を売って調達したカネでまた国債を買い、その国債金利を 「運用益」 と称して事業につかうとしたら……。
空腹をまぎらわすために自分の手を食べるタコみたいなものだ。
記事によると、国際交流基金の 600億円だけでなく、日本藝術文化振興会の 541億円、中小企業基盤整備機構の 298億円、日本スポーツ振興センターの 250億円、環境再生保全機構の 60.7億円など、じつに総額 1,843億円がそういう使われ方 (=埋蔵金化)。
政府の出資金は、国債金利を払って調達していると考えるべきだから、これを「金利運用」 のために塩漬けにするなど本末顛倒。
それぞれの独立行政法人や公益法人には、政府から毎年 「追加出資」 のかたちで必要経費を支払うこととし、
1,843億円の資金は即座に国庫返納ねがい、子供手当てではなく国債減らしに充てるのが、スジだ。
事業仕訳ショーとは別次元の問題として、運用金利を益金として事業につかうための政府出資基金は、原理的に、即刻廃止してほしい。