テーマ:政治について(20115)
カテゴリ:日本の政治
6月15日に、またひとつ、気持ちの悪い会ができる。
「東 ア ジ ア 共 同 体 議員連盟」 だそうだ。友愛外交 (?) が破綻したばかりなのに、まったく懲りてません。 東アジア共同体議連の会長は鳩山由紀夫氏だ。 発起人は海江田万里氏ら民主党議員10名。民主党議員70名ていどで議連発足の見込みだと。 たまに良い政策をちらつかせても、本質は相変わらず気持ちの悪い民主党である。 ■ 経産省のビジョンに乗った ■ さて、民主党が参院選公約に 「法人税の引下げ」 を掲げたのには驚いた向きも多かったのではないか。 経済産業省が 「産業構造ビジョン2010」 の中で力説しているスローガンに、民主党の新執行部が乗ったのである。 小沢政権がうそぶいていた 「官僚排除」 を、菅政権はいさぎよく捨て始めたようすだ。手ごわい政権になりそうだ。 法人税の税収が減る分は、消費税の税率アップで補う。要すれば、日本の税制をヨーロッパ諸国や韓国に近づけてゆくもの。 わたしはこれに、賛成である。 これを一時代前に与党自民党が言い出せば、野党も主流メディアもいっせいに 「企業や金持ちを優遇し、ツケを庶民に回すものだ」 と非難囂々(ごうごう)。 だから自民党は言い出せなかった。 ■ 税引き後の当期純利益が増える ■ 法人税率は今や、日本よりEU諸国や韓国のほうが10~15%低い。 低い法人税率でEU諸国や韓国の財政がなぜ回るかといえば、代わりに消費税率が高いからだ。 法人税率が低くなれば、当然ながら企業の収益は劇的に改善する。 「どうせそれを役員報酬や株主配当にまわすのであろう。新規投資拡大へとカネが回る保証がどこにある?」 と、反対論は簡単に言える。 金持ちへの嫉妬を煽ることほど簡単なことはない。 役員報酬にも株主配当にも縁のない企業人のわたしから見て、やはり法人税引下げは経済を元気にすると思う。 企業の現場で、新しい投資をするとき何を判断の基準にするか。 新規投資で 「売上高」 がいくら増えるとか、「営業利益」 がいくら増えるとか、そんな数字はあまり意味がない。 法人税を支払ったあとに残る 「当期純利益」 が、投資金額に見合っているかが、経営判断のポイントになる。 ■ 新規投資案件が進めやすくなる ■ いかに意義あるプロジェクトでも、最後に41%の法人税等を差し引いた 「当期純利益」 がいくら見込めるかで、投資の青信号・赤信号が決まる。 法人税率が下がれば、青信号がともる新規投資案件が増えるのは、これは間違いない。現場感覚としてそう言える。(社外秘漏洩になるので、具体例はご紹介できないが…。) かりに政府の補助金をもらうとしても、プロジェクトの目論見書(もくろみしょ)には当年の (あるいは確定済の数年間の) 補助金の実額しか織り込めない。 ところが、法人税率の引下げはインパクトがデカい。プロジェクトの永い将来にわたる採算を、引き下げられた法人税率でもって計算することになるからだ。 法人税が下がると、投資金額に対する当期純利益額は、単純にプロジェクトの全期間を通してアップする計算だ。新規投資へのハードルは、一気に跳び越えやすくなる。 いずれの企業も、投資金額に対していくらの収益を上げるべきか、経営指針を設けている。 採算ぎりぎりだった新規プロジェクトが、経営指針を悠々クリアできるプロジェクトに変わるのだ。 ■ 超党派の意味 ■ 現場感覚として、EU諸国や韓国企業の鼻息は、日本企業よりも力強く感じられる。 「ほんとうの実力は俺たちのほうが上じゃないのか」 と常々思うのだが、要すれば彼らのほうが新規投資に取り組むハードルが低いのである。 法人税引下げは経済再生の基本だから、ほんらいは自民党がとうの昔に党の公約として掲げるべきであった。民主党に先を越されてしまったのが、残念でならない。 真摯(しんし)な願いである。 どうか自民党も、こと税制論議に関しては、経産省のビジョンに乗ってほしい。結果として民主党に歩調を合わせることになるが、良いではないか。 法人税引下げと消費税引上げを、民主党・自民党が一丸となりスピード感をもって実現してほしい。 何年か後に再び自民党政権に戻ったときも、法人税率は引き下げられたままだ、という安心感があれば、企業も新規投資に取り組みやすくなる。 それが、日本の明日のためになる。 ▲ 後記 ▼ 経済産業省の提言書 「産業構造ビジョン2010」 は、読みごたえがあります。 各部局の言いたいことを寄せ集めた感じは否めませんが、きれいに整理しすぎていないのが、逆に新鮮です。(つまり、内容に濃淡あり、ということです。) 総じて、日本の産業経済の危機を冷徹に見据えつつ、決して投げやりになることなく、我々が目指すべき道を語っています。 http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g100601aj.html ↑ このサイトの資料3と資料4をぜひ読んでみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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