テーマ:政治について(20109)
カテゴリ:美術館・画廊メモ
山本冬彦さんのブログ に、美術支援政策にむけた協同組合 「美術商交友会」 の提言のことが書いてあった。
銀座柳画廊の野呂洋子さんが中心になって取りまとめているという。 美術品にまつわる諸外国の税制の違いが興味深く、また政策出動の必要を感じさせられた。 こんな具合である。 日本の場合、一流の美術品は資産として計上され、基本的に損金処理はできない。 泉が別途調べてみると、古美術はもちろん、美術年鑑に名前が載っているような作家の作品は一律、減価償却が不可能。 減価償却が可能なのは、美術年鑑に名前がまだ載らないような作家の作品で、かつ1点あたり20万円未満 (かつ1号あたり2万円未満) の作品だという。 その点、中国では企業が美術品を購入すると全額を損金処理できるそうだ。 そうであれば、「法人税を払うくらいなら美術品を買って損金で落とし、値上がりを待とう」 ということになる。 中国で、美術品バブルが起きるのも道理だ。 野呂洋子さんによると平成21年度、中国でのオークション取引総額はなんと2,000億円。これに対して、日本のオークション取引総額は99億円だったという。 結果として、画家・工藝家への強力な支援となる。 「ソフトパワーで勝負だ!」 などと我々が強がっているうちに、従来ソフトパワーに乏しいものと見なしてきた独裁国のほうが、ずっと進んだソフトパワー政策を進めていたわけだ。 悔しいし、こうなると脅威である。ここで負けてはいけないと思う。 野呂洋子さんによれば、その他の各国の支援策もそれぞれに優れた点がある。 ・ アメリカ: 美術館への寄付金が税金の控除対象になる。 マンハッタンでは 「アート税」 が導入されていて、建築費の一定比率の資金を美術品購入に充(あ)てなければならない。 ・ ドイツ: 公共機関では毎年、年間経費の1%を美術品購入に充てなければならない。建築費の一部分を美術品購入に充てなければならない。 ・ フランス: 壁にかけてある美術品には相続税がかからない。美術品にかかる消費税に優遇措置がある。 ・ 韓国: 美術品には相続税がかからない。海外での美術展に参加する場合には助成金がでる。省庁をまたがった文化政策を実施。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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