テーマ:政治について(20109)
カテゴリ:日本の政治
9月2日、手嶋龍一さんの講演会で恥ずかしながら初めて知ったのだが、米軍の海兵隊がなぜ重要かといえば、議会の承認なしで大統領権限だけで動かせる危機即応の部隊だからだ。
「たかが尖閣列島ごときのために核戦争のリスクを犯すのか」 という米議会の議論とか 「日本人はまだひとりも死んでいないのに、自衛隊が出動して先に中国兵を死なせたらどう責任をとるのか」 という列島愚者の議論を脇において、 自衛隊とともに危機即応してくれる可能性の高い部隊だ。 海兵隊の軍服には赤い線が入っている。危機即応部隊を象徴する尊い血の色なのだと、手嶋さんは語ってくれた。 軍国主義国中国の軍の冒険主義が年々高まるなか、「海兵隊は不要」 と唱えるには代替する自衛隊駐屯の大幅な強化を打ち出すべきだが、それを言わないから小沢一郎発言は実に不まじめだ。 小沢一郎が首相になったら、そんな首相のいる日本のために米軍は血を流さない。 有事には本気で、米国人だけ救済して帰る、と割り切るだろう。 「あとは北京で交渉だ。東京に用なし」。 本来、沖縄には隅々まで自衛隊が日本軍としてきっぱりと駐屯し、米軍駐屯の漸減を目指すべきだが、自衛隊駐屯拡大を伴わない米軍撤退を唱えるのは不誠実・不真面目の極みである。 永田町では、 「どうせ党内左派対策さ」 とか 「政権奪還後に備えた社民党への秋波だ」 と、けらけら笑って済ませる向きがあるようだが、笑って済ませる内にインド洋での自衛隊の給油協力は中止された。 笑って笑って笑って済ませ、不作為のままに、日米のプレゼンスが希薄化するのは、未来の歴史に泥を塗る不始末だ。 北國新聞 社説 平成22年9月4日 ≪「海兵隊不要」 発言 普天間問題の迷走に拍車 小沢一郎前幹事長が沖縄駐留の海兵隊を不要とする認識を示し、党内外に波紋が広がっている。 日米両政府は、普天間代替施設を名護市辺野古沿岸部に建設するとした専門家協議の報告書を先月末にまとめたばかりであり、普天間移設問題の迷走に拍車が掛かる懸念も出てきた。 小沢発言は、日米合意の見直しを示唆する内容であり、米国側に改めて不信感を持たれるのは間違いない。 非現実的な 「県外移設」 をあおって迷走を重ねた鳩山前政権の二の舞になりはしないか。 小沢氏は、菅直人首相との公開討論で、在沖縄海兵隊8千人のグアム移転を引き合いにして、 「米軍は前線に大規模な兵力をとどめておく必要がなくなった」 と述べ、 「米海軍第7艦隊だけで、米国の極東でのプレゼンス (存在) は十分」 とした過去の発言についても否定しなかった。 とはいえ、辺野古移設に代わる 「腹案」 があるわけではなく、日米合意についても 「白紙に戻すと言っているわけではない」 と弁明するなど、言葉を濁す場面もあった。 小沢氏の発言は、日米同盟の根幹を揺るがす重大な内容を含んでいるにもかかわらず、熟慮を重ねたものとは思えない。 日米と沖縄の三者が歩み寄れる妙案があるならまだしも、日米両政府がようやく積み上げた合意内容をぶち壊しにしかねない乱暴な発言は避けるべきでなかったか。 政府が発表した報告書は、滑走路2本をV字形に配置する案 (現行計画) と滑走路が1本のI字形案を併記し、最終決着を11月末の沖縄県知事選以降に先送りする内容である。 本来なら11月の日米首脳会談で正式決定する予定だったが、菅首相は面倒を嫌がって先送りしてしまった。 ただでさえ、沖縄の同意を得るのが難しい状況下で、火に油を注ぐようなことを言うのは理解に苦しむ。 永田町では、小沢氏は党内の左派勢力の支持を得るために、あえて言ったという見方がある。 県外移設を主張し、連立を離脱した社民党対策との声も聞かれる。 代表選を有利に戦うために普天間問題を利用してほしくない。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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