テーマ:政治について(20109)
カテゴリ:日本の政治
国会議員をひとり北方領土担当大臣と名づけ、何か起こるたびに 「遺憾」 と言っているだけで済ませる分には、書類の紙代と電話代くらいしかコストがかからない。
いちばん安くつくから、それで済ませてきた。これが一方の極端。 もう一方の極端は、自衛隊派遣による北方領土の奪還。 これは、「国際紛争を解決する手段」 としての 「武力による威嚇 又は武力の行使」 にあたるから憲法で禁じられている。 この両極端のあいだに、我々ができることは山ほどある。 すべて茶番めくけれど、「北方領土を来年から領有したいと思えば、基本動作として何をしているか」 という発想で考えないといけない。 ■ 北方領土の日本国による国有化を法で定める ■ まず、北方領土は歯舞群島から択捉島まで、一切の補償支払いなしに国有化することを定めた法律を制定する。 陸地だけで福岡県ほどの面積のある北方領土は、日本の法律上、日本国の国有地もあるだろうが、私有地 (=日本人が法的所有権をもっている土地) も多い。 (国有地と私有地の比率が知りたいものだが……。) 「私有地」といっても、ロシアが実効支配しているから日本の法律上の所有権の行使のしようはないが、それでも私有地だ。 日本国政府がさまざまなギヴ・アンド・テイクの末に北方領土を返還させたとしても、次の日にはこれら私有権者が 「おれの土地だ」 「わたしの土地よ」 と言い出すだけで、日本国政府がその土地に道路一本ひくのにも、私有権者に補償金を払わねばならない。 じつにバカらしいことが起きる。 そういうことが起きないように、今の段階で (つまり私有権の行使のメドがまったく立たない段階で) 北方領土の 「補償なしの国有化」 を法律で決めておくべきだ。 考えてもみよ。 領土交渉の過程で北方領土の一部を日本政府が放棄することを決めたとしようか。 すると、現状の法体系でいけば、日本国民の私有地を日本国政府がかってに放棄させるわけだから、私有権者に補償金を払わねばならなくなる。 踏んだり蹴ったりである。 ■ 千島特区長を定め、千島特区行政事務所を東京と根室に置く ■ 北方領土のうち、根室市に属するのは歯舞群島のみ。 日本の法律上、色丹島・国後島・択捉島には根室市とは別の郡があり、町があり、村がある。 国有化後は、これら3島は 「千島特区」 とする。 行政区域には、その長がいなければならない。 千島特区長を国会承認によって定め、千島特区行政事務所を東京と根室に設ける。 行政事務所といっても実効支配していないから、きょう明日の仕事はない。 実効支配したとしたら、どういう道路をつくり、どういう施設をつくるかを、まじめに計画して次々に発表するのである。 北方領土が返還されたあとの、在留ロシア人への政策も決めておかねばならない。 ■ 政治には、演劇的要素がある ■ こういうことをひとつずつ行わないから、「北方領土を返還せよ」といってもロシア側はまったく本気にしないのである。 なめられる構図は、尖閣諸島にそのまま通じる。 返還を望むなら、まずそれを演じることから始めなければならない。 実効支配の維持を望むなら、まずそれを演じることから始めなければならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Sep 30, 2010 08:21:09 AM
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