テーマ:政治について(20112)
カテゴリ:ぼくの疑問符
世の中でいちばん腹の立つ悪は、本人としては 「良いこと」 をしているつもり、「善人」 のつもりでいて、それが 鈍感 → 怠慢 → 傲慢 → 傲悪 という具合に畸形化しているケースだ。
泉用語では、悪辣ならぬ 「善辣なる人々」 である。 日本で風力発電施設を経営している業者 (=東京電力のような電力会社に“クリーン”な電気を高く買ってもらっている中小業者) にも、「善辣」 の病が巣食っているようだ。 環境省の実態調査によって、風力発電所の騒音・低周波音への苦情に対する対応がじつに杜撰(ずさん)であることが明らかになった。 アンケート調査の回答があった389ヶ所のうち、苦情・改善要望書の提出をうけたところが64ヶ所。うち25ヶ所では苦情などが依然続いている。 ……アンケート調査でこれだから、実態はもっとひどいはずだ。日々の不快を我慢して言い出さない住民だっているし、環境省にウソを回答した業者、回答しなかった業者もいるだろうと考えるのが、人間の常識だからね。 そもそも、風力発電の騒音や低周波音の実態を調べたことのない業者が、全体の62%にも達するというのだから、業界として失格だ。 いや、「業界」 が組織されていないところに問題があるのかもしれない。 そもそも、見渡した視野に民家があるところに風車を立ててはいけない。 日本のように平地という平地に民家がある国は、風力発電を行うのに不向きなのである。 地平線まで続く平原に恵まれた諸国のサル真似をしてはいけない。 風力発電業者のモラルの向上を図るには、電気を買う側の電力会社がしっかりと指導をし、騒音・低周波音の問題のある業者からは電気を買わないといった強硬策をとるべきである。 もっとも、電力会社自身が所有する風車の管理が杜撰な場合は、政府にお出ましねがうしかないが。 大型の風力発電所の風車は、遊園地の観覧車よりもデカい。それがキュルンキュルンと回る。かりに観覧車があのスピードで回ったら、失神しないのは宇宙飛行士の訓練を受けた人くらいだろう。 そのくらいのエネルギーで回るのだから、風切り音も低周波音も想像を超える。 『日本経済新聞』 平成22年10月8日 夕刊14面 ≪風力発電所16%に苦情 環境省調べ 騒音や低周波音 環境省は8日までに、風力発電の騒音や低周波音に関する実態調査をまとめた。 回答があった389ヵ所の施設のうち、住民からの苦情や要望書提出があったのは全体の16%にあたる64ヵ所。 なかでも25ヵ所は苦情などが依然続いていることが分かった。 風力発電の騒音や低周波音の実態を調べたことがある事業者は全体の38%と、意識の低さも明らかになった。 風力発電施設は、低周波音などが体調不良を招くとの指摘も出ていた。 調査では、施設から300メートル以上400メートル未満の範囲に暮らす住民の苦情が最も多かった。 風力発電の施設が大きいと、それだけ苦情も増えた。 環境省は今年度から千葉工大と東京大に委託し、風力発電から出る低周波音の人への影響に関する研究を始める。 それに先立ち騒音や低周波音の苦情の実態を把握するため、全国調査を実施した。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 11, 2010 11:09:27 PM
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