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Nov 7, 2010
カテゴリ：美術館・画廊メモ
やきものオブジェ。ユーモラスな意趣の造形を、たしかな作陶の技が支えている。
つやつやと生命感ある眼球も、ひびわれたような犬のからだも、あやしい内臓の色あいも、二度焼き、三度焼きせずに、一気に焼いたものだという。 福島かほりさんのメインの作品は Humoresque という、胎児の形のまま肥満しつくした女体オブジェで、DM葉書に使われている。 しかし、ぼくが気にいったのはむしろこちらの Lay Figure （人体模型） という作品。  なんとなく、舟越 桂（ふなこし・かつら）さんの作品を想起してしまった。静か、なのである。  頭蓋と腹部を切開して、大脳と臓器が見える。（大脳は取り外せるのだそうだが。） 静か、なのだが、目は見開かれ、口もとは快活だ。陰惨なテーマなはずなのに、それをまったく払拭する明るさ。それでいて、静かだ。 42万円。高橋龍太郎コレクションにぜひ加えていただきたい逸品。  この写真からは伝わりにくいけど、この眼球のつややかさはどうだ。釉薬なしの肌の部分も眼球も一度に焼いたというから、みごとな技だ。  こちらは、人面犬。目つきに食いつかれてしまう。  そして、こちらはマトリョーシカ。 肥満胎をぱかっと開けると、筋肉層、内臓層、骸骨層、巨大子宮、そして いたいけな代赭（たいしゃ）色の胎児がある。 こちらは32万円。これまた高橋龍太郎コレクションにぜひ入れていただきたい逸品だ。 Art Lab TOKYO のオーナーが、じつに飄々と話にさそってくれて、居心地のいい画廊だった。 福島かほりさんは昭和58年埼玉県生まれ、多摩美の陶コース卒業後、筑波大の研究科修了。 この実力だと、あのマトリョーシカもやがて手が届かないお値段になるなぁ…。 （日本橋兜町16-1 の Art Lab TOKYO で11月13日まで。画廊の入り口が分かりにくいです。） お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
最終更新日
Nov 7, 2010 05:51:30 PM
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