カテゴリ:美術館・画廊メモ
平成22年の画廊メモを見たら、歳のはじめが新国立美術館の Domani・明日展だった。
今年も、とっても楽しみだった。行って、大満足! 図録もよくできていた。 ◆ 今年のぼくのディーヴァは、近藤聡乃(こんどう・あきの)さんですねぇ。 平然飄々としたおかっぱ頭の少女のひとり遊び、ひとり夢、ひとり惑い……。 5分超のアニメ作品 「てんとう虫のおとむらい」 を1回半見たけど、ほんとは何度でも見たかった。 新作アニメのためのドローイングのかけらがいっぱい展示されていて、胸がしめつけられるほど いとおしくなってしまう。 ちょい苦いところが、いいのよね。 彼女の画集が出たら絶対買う、と思ってショップに行ったら、平成16年刊の漫画本 『はこにわ虫』 (青林工藝舎・刊) があったので、もちろん買いました。 彼女のオリジナル作品をぜったい手に入れたいな。 ◆ 近藤高弘さんの陶藝にも圧倒された。 自分の顔を型でとって禿頭の渋面像を焼き、そこに染付でメダカを描いたり、水滴のような銀滴彩をほどこしたり。 多様なアートになった 「擬似近藤」 たちがひしめく獄門界をすり抜ける贅沢といったら。 ◆ 遠山香苗(とおやま・かなえ)さんは、カラフルなキャンディーのような透明感のあるキューブが白いキャンバスをミズスマシのように泳ぎまわる抽象画。 太い刷毛で造作なく描きあげたようにも見えるけれど、計算と偶発が同居する色彩と配置に、天空の星の軌道のような曲線が描き足されて、軽やかで気持ちのいい動きが生まれる。 ◆ 町田久美(くみ)さんは、日本画の白描(はくびょう) (=墨で線を主体として描く手法) の技法でシュールレアリスムの最先端を走っている。 昭和前期の日本人が懸命に日本への移植を試みたシュールレアリスムが、胞子となって飛び散り、思いがけないところに茸となってびっしり繁殖しはじめたような。 以上4人をとりあげましたが、ぜんぶで12人のアーティストの豊饒な展覧会。 1月23日まで、国立新美術館で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jan 11, 2011 12:15:58 AM
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